業務改善、中小企業の80.5%が成果なし 成功企業に共通する法則とは?
業務改善に取り組む中小企業では、必ずしも期待した成果につながらない場合がある。では、成功する企業にはどのような特徴があるのか。中小企業の担当者200人を対象とした調査で、その共通点が見えた。
多くの企業で業務改善への取り組みが進んでいるものの、改善施策を実施しても期待した成果につながらないという場合も多い。こうした課題を背景にスタディストは、従業員数300人未満の中小企業を対象に業務改善実態調査を実施した。業務改善の担当者200人から回答を得た調査の結果、業務改善に取り組んだ企業の約8割が期待した成果を得られていないことや、成果を得られた企業に共通することが分かった。
8割が業務改善で期待した成果得られず 成功企業にはある共通点
コア業務に集中できているかどうかを尋ねた設問では、「あまり集中できていない」が43.0%、「ほとんど集中できていない」が4.0%で、合計47.0%に達した。時間を取られる業務については、「社内報告・資料作成」が56.5%で最多となり、「メール・チャット対応」が43.0%、「請求・経費処理などの事務作業」が40.0%で続いた。日常的な周辺業務が、本来注力すべき仕事の時間を圧迫している状況が表れた。
業務改善の成果に対する評価については、「目標の半分程度」が46.0%、「ほとんど成果が出なかった」が26.5%、「取り組み自体が途中で止まった」が8.0%だった。成果が不十分だった161人に理由を聞くと、「担当者が他業務と兼任で手が回らなかった」が28.6%で最多だった。「時間が足りなかった」は23.0%、「何から手をつければよいかわからなかった」は22.4%となり、人員と時間の不足に加え、着手手順の整理も課題として浮かんだ。
「業務の棚卸し・整理」と「改善の実行」を明確に分けたかという設問では、「明確に分けて進めた」という回答者は9.0%にすぎない。業務改善全体のうち棚卸し・整理に割いた時間が1割未満、または1~2割だった回答者は合計71.0%を占めた。
整理時間の比率別に成果達成率を見ると、比率が高い層ほど達成率が高い傾向があった。整理に5割以上を使った企業では63.6%が「目標を達成した」と答えた。ただし、この層は11人であり、調査では参考値として扱っている。ほかの区分の回答者数は、1割未満が31人、1~2割が111人、3~4割が47人だった。
AI・自動化ツールを会社で導入した経験がある回答者は47.0%だった。利用方法は「個人的な作業補助」が61.7%を占め、「業務フローへ組み込んでいる」は28.7%、「複数業務を自動化している」は2.1%にとどまった。導入経験者の66.0%は何らかの効果を感じていた。効果が出ていない理由では「使いこなせる人材がいない」が65.6%で最多となり、「どの業務に適用すればいいか分からない」が40.6%で続いた。ツールの導入だけでなく、運用人材の確保と適用業務の選定が課題となっている。
調査において、人手不足が深まる状況の参考として、帝国データバンクが7月8日に公表した2026年上半期の全国企業倒産集計も引用した。人手不足倒産は227件で過去最多となった。スタディストは、限られた人員で通常業務を担いつつ、業務整理やAI活用、人材育成まで社内だけで担うのは、300人未満の企業には容易でないと指摘する。業務改善は全業務の効率化自体を目的とするのではなく、コア業務に集中できる環境を整え、企業の付加価値を高める取り組みだとしている。
なお、今回の「300人未満の中小企業における業務改善実態調査」はスタディストによるインターネット調査で、調査期間は2026年6月24~25日だ。
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