IT導入完全ガイド
もう「ブラック企業」とは呼ばせない、コンプライアンス順守のための「勤怠管理」の在り方(3/4 ページ)
勤怠管理ツールはコンプライアンス強化にどう役立つのか
そもそも労基法では「始業・終業時刻の確認および記録」が義務とされており、その記録は3年間保管しなければならないことになっている。記録の方法としてタイムカード、ICカードなどの客観的な記録を基礎とすることが定められており、自己申告制については実態調査などの条件つきで認められているだけだ。
また自己申告制の場合でも現実的に多数の従業員対象に実施するのは、人手に頼る方法では難しいだろう。勤怠管理のためには、何らかのツール導入は事実上不可欠といってよい。
多様な就労形態に適する打刻デバイスが利用可能
勤怠管理にタイムレコーダーを利用する企業が現在でも大多数であり、かつては紙に打刻されたタイムカードを人事、総務部門が手計算していたが、現在はタイムカードを利用していてもタイムレコーダー側で打刻時間と従業員をひも付けてデータ保持し、勤怠管理用サーバにデータを集約して管理する手法が主流だ。
打刻にはICカードや指静脈などの生体認証デバイス、PC入力、スマートフォン入力(図3)なども使われるようになり、従来型のタイムレコーダーを設置せずにICカードリーダーや生体認証デバイスを代わりに設置するケースも多くなっている。
従来型のタイムレコーダーとカードによる打刻手法では、直行直帰が常態の営業職などには向かないし、ペーパーレスオフィスには逆行することになる。在宅勤務やノマドワーカーにも適さない。スマートデバイスによる打刻はこの課題への最も簡便な解決になりそうだ。位置情報と関連付けながら正確な時間を管理できるため、出退勤の虚偽申告を防ぐことにもつながる。
とはいえ対象者がスマートデバイスを持っていなければならず、それを会社が支給するのか、BYODを実施するのか、また運用管理をどのようにするのかという別の課題も生まれている。ただし管理法さえ合意できれば、BYODになじみやすい手法といえるだろう。
生体認証を利用するのもペーパーレス化に一役買うと同時に「私のタイムカードも押しといて」というような不正打刻を防ぐのに効果的だ。汎用(はんよう)PCなどに接続するデバイスは数万円程度と比較的低コストなところも長所である。
ICカードも、同様に不正打刻を防ぐ効果があり、他の用途にも利用可能なところが魅力だ。ただし少々値が張るところが痛い。その弱点をカバーするように最近登場したのが、PCまたはタブレットのカメラにかざすだけで認証可能な2次元カラーバーコード「カメレオンコード」だ。
勤怠管理ツールの一部でサポートされるようになり、プリンタで作成できる手軽さと低コスト性、QRコードの50倍の距離から認証可能なところから、IDカードなどの用途としてこれから利用が広まりそうだ(図5)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
IT導入完全ガイド
注目の技術やITツール。そもそもどういったモノで何に使えるのか、どんなモノを選ぶべきか、課題はあるか、といった情報を基礎から徹底解説します。
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ニンテンドーシステムズ開発者が明かす、通信「低遅延・安定運用」のコツ【事例集】
-
2
「Gemini Notebook」で利用者10倍 シニア社員をAIヘビーユーザーにした首都高の考え
-
3
スクエニ開発陣が「ドラゴンクエストX」の世界観を守るのに「Gemini」が必要だったワケ
-
4
「新しいOutlook」って使ってる? 移行で変わるメール誤送信対策
-
5
「情シスやめます」と言われたら――ある日突然「ゼロ情シス」になった企業のその後
-
6
「脱Excel」しても、いちばん働いているのはExcel 給与計算の調査に見る実態
-
7
使わなくなったPCを、企業が処分したくてもできない理由
-
8
千代田区、Copilot全庁導入で月2000時間削減 10カ月でAIを根付かせた定着の仕掛け
-
9
“壊してもいい”が現場を変えた 岩塚製菓、生産性1.3倍を生んだDX定着の条件
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー