労務管理の見直しに効く「勤怠管理ツール」とは何か
働き方の多様化など急激な環境変化に対応するためには、業務の負担を軽くする「勤怠管理ツール」が必要だ。その特長を説明する。
タイムカードや出勤表によって従業員が勤務時間を申告し、業務部門が手作業で集計するのが、これまでの勤怠管理のやり方でした。「勤怠管理ツール」とは、タイムカードの打刻をシステムによって自動集計し、従業員の勤務状況を的確に把握できるようにするものです。
このようなツールが求められる背景には、近年労務管理が厳しく監督されるようになったことと、働き方のスタイルが多様化してきたことなどが挙げられます。こうした急激な環境変化に対応するには、経営陣はもちろん、人事部や総務部など「業務部門」の働きが重要になってきますが、とても手作業では追い付きません。そこで勤怠管理ツールを活用する会社が増えているのです。
労務管理をしっかり行い、業務部門の負担も軽くできる「勤怠管理ツール」の特長を説明します。
「怠慢な労務管理」が引き起こすリスクとは?
近年、従業員の労働環境については内外から厳しい眼を向けられています。
過重労働、残業代の未払い、高いストレス。こうした実態が世間に広まり、一度会社が「ブラック企業」というレッテルを貼られてしまうと、会社のブランドは傷つき、採用活動にも支障が出ることでしょう。また従業員のモチベーションも低下し、人材の定着率に悪影響を与える可能性も高くなります。また従業員からの訴訟により、巨額の未払い残業代の支払いを命じられる事例も出てきています。
昨今、監督官庁も厳しい姿勢で臨んでおり、厚生労働省は通称「かとく」(過重労働撲滅特別対策班)と言う労働法違反監督の専門チームによって、法令違反企業の摘発を厳しく進めています。結果、是正勧告を受けて不払賃金を支払った会社の数は1329を数え、支払われた割増賃金は1企業当たり1072万円に上るとされます(支払金額100万円以上の企業 2014年4月から2015年3月)。さらに、2015年12月には従業員のメンタルヘルスチェックも義務化されました。
今や企業にとって「労務管理の徹底」は経営を左右する重大課題の1つであると言っても過言ではないのです。そのためには、従業員の勤務状況を正確に把握し、適切に管理していくことが第一ですが、タイムカードの打刻記録を月末に「一度だけ」手作業で集計する方法では、適切に管理していくことは現実的には困難で業務部門にも負担がかかり過ぎます。
従業員の勤務状況をリアルタイムで把握
そこで検討したいのが「勤怠管理ツール」です。勤怠管理ツールではタイムカードだけでなく、Web画面、スマートフォン、ICカード、指紋や静脈認証などで行われる「打刻情報」に対応でき、打刻時間をシステムで自動集計して、従業員の勤務状況をリアルタイムで把握できるようになります。その結果、業務部門の勤怠管理に関する作業はかなり軽減されます。また、タイムカードに代わり、スマートフォンを打刻に用いる事によって、テレワークや直行直帰などさまざまな働き方をするスタッフの勤怠管理も楽になります。
勤怠管理ツールには、残業時間や休暇、それらの届け出申請、またシフト管理など勤怠管理に必要なさまざまな機能が備わっています。例えば、残業時間について一定の基準値を個人毎に設定しておき、残業時間を超過しそうになったら、注意喚起のシグナルを上司に飛ばしたりすることも可能になります。 勤怠管理ツールは、従来は大企業を中心にオンプレミスタイプのものが導入されてきましたが、近年はクラウドタイプの勤怠管理ツールが多く提供されており、オンライン上ですぐ使い始められること、初期費用が低く抑えられることなどから中小企業でも利用しやすくなっています。
適切に労務管理を行いながら業務部門の負担も軽くする、勤怠管理ツールの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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