【BI導入事例】2倍の受注に「2倍働く」以外の答えを作る――名古屋のものづくり企業が選んだ方法を取材した(2/3 ページ)
マクロ地獄で自部門ががんじがらめに
同社にBI環境がなかったわけではない。セルフサービス型で、ユーザー部門がおのおのでデータを集めて加工するための、統合データベース基盤「e-Work DB」を整備してきた。
e-Work DBで多くのデータを集約し、ユーザーに解放するデータを1カ所から取得できるように構築したデータベースだ。収集したデータについては、提供前にあらかじめ加工してExcel形式で提供する仕組みにしていた。
このシステムを用意したことで個々の要件毎に個別のユーザーが収集と加工を行ってきた作業を効率よく行えるようになったという。
しかし、このアイデアも利用ユーザーが増えたことで、要求のバリエーションや件数が増え、対応仕切れない状況が生まれた。データ加工に使うマクロ類の開発が追い付かず、既存のマクロのメンテナンスも困難になった。利用者の要求に対応し切れなくなった吉野氏の部門はとうとうユーザー部門からつつきあげに遭うようになってしまった。
そこで選択したのが、セルフサービスBIをうたい、ユーザー側でデータ分析を実行できるTableauだ。
実際には複数の製品/サービスと比較したそうだが、同社の評価指標に合致したのがTableauだったという。価格、レスポンス、使いやすさに加え、グローバル展開に対応可能かどうか、グラフ表現や分析や統計解析に関する機能も重視したポイントだ。
従来、Excelで作ってきた資料ではデータ更新作業が煩雑だったというが、TableauなどのセルフサービスBIツールは、データベースを直接参照できる。都度データを出力してから加工するといった手間が不要になる。さらに「担当者のメッシュ」「マネジャーのメッシュ」など、情報の粒度などのカスタマイズも簡単にできる。
現在はe-Work DBにデータを一元的に蓄積し、データ可視化をTableauで行う環境を整えている。同時にw-Work DBに蓄積するデータそのものも拡大しており、今後はデータ分析などにも生かしていく考えだという。
Tableauは本当に経営革新につながっているのか?
現在、同社ではどういった場面でTableauを使ってデータを可視化しているのだろうか。
1つは「需要変化の確認」だ。客先要求を2週間に1度更新し、新旧での差分を把握する。従来はExcelシートで管理してきた情報だが、Tableauに移行したことで、「個数」「グレード」「燃焼機のみ」といった詳細情報の探査をその場で担当者が行えるようになり、状況把握がスムーズになった。
もう1つは「ライン能力の確認」だ。どれだけ受注があり、部品がそろっていても、生産ラインのキャパシティーを超えることはできないため、生産能力を日々評価して最適化する必要がある。
ここでは生産設備のIoTデータとも連携して情報を把握している。このとき、Tableau側でテンプレートを用意しておけば、ユーザーは必要がタイミングでデータを自動更新して利用できるようになる。またテンプレートは別のラインにも流用できる。
「資料を作成する時間を削減し、仕様を基に思考する時間を増やせた。加工の工程最適化や不具合の評価にも使っている」(吉野氏)
部品サプライヤーの評価にもTableauを活用する。発注品の納品状況などの複数の指標で評価するが、サプライヤーごとの状況把握に掛かる工数が減ったため、はやく問題を把握できるようになった。結果として対策に時間を割けるようになったという。
こうした状況を把握する為の仕組みとしてのData Viewを置き、この層でタブローを動作させている。
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