IT導入完全ガイド
主要ベンダー2社に聞いた、セルフサービスBIはここが違う(1/3 ページ)
錦織圭選手の試合データの分析結果は? 福原愛選手の打球の軌跡は? 業務部門がメインユーザーであるセルフサービスBIではどんなことができる? 主要ベンダー2社に聞いた、製品の特徴を紹介する。
今回は、ガートナーが提示するマジック・クアドラントでリーダーに位置付けられ、市場をけん引するベンダーが提供する最新のセルフサービスBIツールの特徴、そしてこれから導入する際に抑えるべき内容などについて言及する。
IT専門家や分析の専門家の手を借りずとも、自分で使うためのレポートを作成したり、分析を行ったり、ダッシュボードをつくったり、さらにそれらを共有したりできるのがセルフサービスBIツールだ。現在、各ベンダーからさまざまな製品が提供されているが、当然ながらそれぞれに特徴がある。そこでここでは、セルフサービスBI市場をリードしているタブローとクリックテックの2社について、それぞれの製品の特徴について触れる。
ビジュアル分析と手軽さが強みのTableau(タブロー)
データを持っている人、つまりそのデータについて“知る”人が、データに対して質問するような感覚で自然に使うことができる──そんな哲学からつくられたのがタブローのセルフサービスBI製品「Tableau」だ。その大きな特徴は、直感的なUIなどにより誰でも容易に使えるようになっている点と、大規模データの高速なビジュアル化を可能にする独自のデータ処理技術を備えている点にある。
ビッグデータのような膨大な量のデータを分析・解析しようとしたとき、一般的なBIツールではどうしても処理が重くなってしまい、ユーザーの思考回路もそこで止まってしまいがちだ。しかしTableauを使ってビッグデータ分析を行えば、ユーザーはおもいつくままに次から次へと角度を変えながら考察できるため、むしろ思考を加速することになるのである。
同社は20年以上にわたりインフォメーションデザインを研究しており、その成果は正しいグラフを自動的に作成する機能など、さまざまなかたちで製品に反映されている。
最新版の「Tableau 10」では、45種類以上のデータソースに接続可能となり、また仮想データ統合技術により、バラバラに存在するデータをつなぎ統合したうえで分析ができるようになっている。さらにユーザーがデータを準備するのを支援する機能もより充実している。
一般に複数のデータを対象に分析するとなると、実はかなりの時間をデータを使えるようにするための作業に時間を費やすことになる。用語・表記の揺れをはじめ、データには直さねばならない部分が数多く存在しているが、従来のBIではそうした修正作業を情報システム部門が担っていた。しかし多くの場合、セルフサービスBIではデータの準備もユーザーが自分でやる必要があるため、いかにツールが支援もしくは自動化してくれるかが重要になるのである。
そして分析機能については、新たにクラスタリング機能を搭載。クラスタリングとは、異なる性質のものが混ざり合った集団を、意味のあるグループに分けたい時に用いるセグメンテーション手法の1つである。
例えば、クラスタリングを活用すれば、売上データや顧客履歴などから、「収益に貢献している商品群」や「ある商品をよく購入する顧客層」などを抽出し、新たな戦略を立てられるのである(クラスタ分析)。図1は現在活躍中のテニスプレイヤーのオープンデータ(公開されているデータ)を基に選手の特徴ごとにクラスタリングした結果のダッシュボードだ(クラスタリングした結果が右下のクラスタ分析枠に表示されている)。
またTableauの共有機能を使うことにより、企業内ポータルサイトや外部向けのWebサイト、さらにはSaaSで利用している他サービスの画面などに任意に作成した分析アプリケーションを埋め込むといった使い方もできる。分かりやすいケースは、テレビ東京が提供している「世界卓球2016マレーシア」の番組公式Webサイトだ。
このサイトでは動画再生と連動したトラッキングデータと試合スタッツ情報(選手のプレー内容に関する統計数値)が表示されるようになっている。試合スタッツ情報は、選手のスコア、サーブ・レシーブ時ポイント率、打球のヒートマップなどで、この可視化に「Tableau Software」とデータビジュアライゼーションプラットフォームの「Tableau Public」が使用されているのである。
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