すご腕アナリスト市場予測
大衆化とは違う “AIの民主化”の本質(3/3 ページ)
企業がAIを活用するための勘所
最後に、AIの民主化に企業が取り組むための勘所について見ていきたい。
従来のような“ITシステム”とは異なることを認識すべき
前述した通り、インプットに対して100%の答えが常にアウトプットされるわけではないというAIの本質をしっかり理解することが必要で、AI=ITといった思考を変えていくことが大切だ。AIは、与えられたデータの中から要素の相関を見いだし、その相関データから確からしさを判断してアウトプットするものが一般的で、データから自分にとって最適判断を下す人間の脳に近い動きをするものだ。100%間違えることがないものを目指しているわけではないことを十分に理解した上で、AI活用を進めていくことが重要になる。
大衆化とは違う“民主化”に向けたふさわしい積極性を発揮する
AIは、一度導入したら完結するものではなく、常にAIのトレーニングや学習、チューニングなどを継続させていくことで、より自社に合った解が導き出されることになる。その意味でも“民主化”という言葉は的を射ている、と考えている。本来民主化は、自分自身も政治プロセスに参加することで獲得できるものである。“AIの民主化”にしてもAIの開発に自ら積極的に参加していくことが重要になる。AIを意識せずに使える環境が広がりつつあるが、こうした積極性・主体性を欠くと、従来のITのように誰かが作ったものを単純に使うという受け身の姿勢で終わってしまう。誰でも使えるという“大衆化”ではなく、利用者自ら積極的に参加していくことで利用者に適したものに成長させていく“民主化”が、AI活用には欠かせないものになるはずだ。
小さく始めることがAI浸透の第一歩
100点満点の答えが必ず出るわけではないAIは、あらゆる企業にとって万能薬になるとは限らない。業務改善や新たな価値創造など企業にもたらすメリットはもちろんあるが、決定的な勝ちパターンがあるわけではないことを認識したうえで、過度な期待を持つことなく小さなところから始めてみることが大切だ。企業や事業全体で一気にAIを展開するといったビッグバン導入は、恐らくハレーションを起こすことになるため、できれば自身の手が付けやすい範囲から小さく導入し、成功体験を積み重ねていくことがうまくAIを広げていく秘訣(ひけつ)となるだろう。どこから手を付けるかは企業の置かれた状況や課題感によって異なるが、例えば過去RPA導入に挑戦してうまくいかなかった業務に、技術の視点を変えてトライしてみるといった方法はありだろう。一度RPA導入に向けて業務が精緻化されていけば、現場としての理解も含めて進めやすいはずだ。
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