「オートスケールって落ちるんです」――AWSの現場術を伝授する"駆け込み寺"(3/3 ページ)
オートスケールは落ちる……? ‟情シス目線”の教えとは
さらに、チョイトレの特長は、情シス担当者がどのような視点でAWSに接すればいいかという観点からカリキュラムを構成していることだ。講師も務めるSD推進事業部 課長の島田勝也氏は、ベンダーが提供する公開講座や研修プログラムとの大きな違いだと話す。
「ツールや機能の使い方を解説するということよりも、システム会社に見積もりや発注をする際に何を踏まえておかなければならないのか、環境構築する上で盲点になりがちなことは何かなど、情シス担当者が本当に現場で必要になるスキルやノウハウを提供します」(島田氏)
島田氏によれば、運用の現場で気を付ければならない点や身に付けるべきノウハウは多い。例えば、AWSの環境構築で盲点になりやすいものにオートスケールの設計がある。アクセス数に応じてWebサーバ数をスケールさせることでシステムを落とさないようにする仕組みで、クラウドならではの長所として語られることが多い。しかし、実際には推奨される手順でオートスケールを設定しても、現場レベルでは通用しないことも多いのだという。
「スマホの普及などもありピーク時のアクセス急増は想像以上です。サーバがオートスケールする前の段階でシステムが落ちてしまうことがよく起こります。こうしたトラブルに対処するには、サービスの使い方や設定方法だけではなく、サービスの特性を正しく把握する必要があります」(島田氏)
さらに、情シスが運用するシステムの多くは、クラウドで新規に立ち上げたものだけでなく、既存システムをクラウドに移行したものなどさまざまだ。場合によって、ゼロからAWS環境を作るのとは異なるノウハウが必要になると、講師の1人として活躍するSD推進事業部 主任の吉田桂子氏も説明する。
「オンプレミスと同じ構成でそのままクラウドへ移行する場合、クラウドの良さを生かしきれない場合があります。また、サービス間通信やAZ(Availabllity Zone)間通信においてスピードが出なかったり、疎通がわずかに途切れてしまったりという、
オンプレミスの時にはなかった考慮事項が生まれます。こういったクラウドの仕様や特徴、実際の動作を知った上で、クラウドに適した構成や設計を検討する必要があります」(吉田氏)
チョイトレでは、クラウドならではのリスクや落とし穴を説明した上で、現場に即した運用や設計のノウハウを指導する。研修は講義形式ではなく、円卓を囲みながら受講者がコミュニケーションをとりあって進めるため、各業界に通じた講師から個別のアドバイスなどをもらうことも可能だ。
「攻めの情シス」の第一歩
ちなみに、BFT道場は、AWSの研修以外にも、WindowsやLinuxといったサーバ環境構築やL2~L3ネットワーク環境構築、シェルスクリプトといった、ITシステムに関するさまざまなテーマの研修を提供しており、多岐の分野にわたる知識が必要な情シスのニーズに即している。
既存ITの安定運用する「守りのIT」だけでなく、事業部門と一体となって新しいビジネスを推進する「攻めのIT」を提供することが情報システム部門に求められている今、「情シス目線の教育サービス」をうまく使いながら、その役割を追求していきたい。
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