Wi-Fi 6とは? IoT時代に最適な無線LAN「IEEE 802.11ax」(3/3 ページ)
802.11ax製品を選定する際の注意点
ここからは802.11ax対応製品の選び方を見ていこう。正式に規格が承認されるのは少し先だが、現段階の802.11ax仕様に準拠した製品は既に登場している。今導入する場合、注意すべきことも合わせて紹介する。
製品自体は発表済みだが、ソフトウェアアップグレードが必須
IEEE 802.11axは、まだ最終的な規格の承認が得られていないが、既にIEEE 802.11axに準拠した製品はコンシューマー向け、エンタープライズ向けを問わず発表されている。最終的な規格が確定した段階で、ソフトウェアアップグレードだけで最新の規格に対応する製品が多いため、これから新たに無線LAN環境を整備する際には、数年先を見越してIEEE 802.11ax対応のものを選択することになるだろう。
例えばシスコシステムズでは、「Cisco Catalyst 9100シリーズ」と「Cisco Merakiアクセスポイント MR45/MR55」でWi-Fi 6への対応を表明、日本ヒューレット・パッカード(HPE Aruba)でも、Wi-Fi 6に対応可能な「Aruba 510シリーズ」を既に発表している。Aerohive Networksやラッカスネットワークスなどが提供するAPをはじめ、バッファローやエレコムなど日本ベンダーも既にIEEE 802.11ax ReadyなWi-Fiルーターを発表している状況だ。
クライアントの対応状況では、既にノートPCではデルをはじめとしたメーカーがWi-Fi 6対応の新モデルを展示会などに出展、スマートフォンではサムスンの「Galaxy S10/S10+」が既にWi-Fi 6に対応するなど、具体的なデバイスも登場し始めている。2019年度はIEEE 802.11axに準拠した多くのソリューションが続々と登場してくることになるだろう。
ボトルネックになる有線側の再整備が必要
新たな規格が発表されるたびに高速化が進む無線LANだが、IEEE 802.11acから最大PHYレートでギガビットが求められるようになり、IEEE 802.11axではさらなる高速化が必要になっている。そこで、考えておくべきは、無線の高速化に有線ネットワークが追随できるかどうかという点だ。現在、APとLANスイッチをつなぐイーサネットケーブルには1Gbpsを実現するCAT5Eが多く利用されている。しかし、複数デバイスからギガビットレベルのリクエストが寄せられると、イーサネットの物理的なスループットが大きく影響し、結果として通信のボトルネックになりかねない。だからこそ、CAT6以上のイーサネットケーブルに切り替えるか、もしくはCAT5Eケーブルを利用して2.5Gbpsや5Gbpsへの拡張が可能なIEEE 802.3bz対応のAPを選択するなどして、有線側の拡張を検討すべきだろう。どれだけ無線空間が高速でも、有線側がその速度に対応できなければ、結果として利用者に与える体験はいいものにはならないはずだ。
これは拠点内のLANはもちろん、ブランチオフィスと本社の間にあるWAN回線もボトルネックになる可能性をはらんでいる。LAN側のスループットとともにWAN側のスループットにもしっかり目を向けたいところだ。
スイッチ側のPoE(Power over Ethernet)能力が問われる時代に
既存環境で注意すべきは、イーサネットスイッチの給電能力だろう。APに対してPoEを利用して電力供給するケースが多いと思われるが、IEEE 802.11axの中でも8×8タイプのAPが出てくると、おそらく現在のIEEE 802.3at(IEEE 802.3afの拡張規格)が採用する入力側(PD)25.5W給電でも不足する可能性がある。そうなると、新たな規格として注目されるハイパワーPoE(PoE++)としての「IEEE 802.3bt」対応スイッチが求められることだろう。IEEE 802.3btは電力供給側(PSE)で最大90W、PD側で最大71.3Wの給電が可能な規格となっており、複数のIEEE 802.11ax対応のAPにも十分給電できる。IEEE 802.11axの魅力を最大限に生かすには、PoEについても考慮する必要がある。
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