サイボウズ、さくらの社長が激論「日本IT企業が海外勢に敗北した理由」

「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業が躍進する中で、迷走し続ける日本企業。グローバル企業に大きな差を付けられた理由とは。そして、社会と企業を転換させるために必要なこととは。サイボウズとさくらインターネットの両社長が語り合った。

 2022年で創業25周年を迎えるサイボウズの青野社長は、同社が開催したイベント「Cybozu Days 2022」の基調講演で、さくらインターネット社長の田中邦裕氏をゲストに迎えてグローバルビジネスと日本企業、DXなどについて語り合った。本稿は、その模様の一部をお届けする。

本稿は「Cybozu Days 2022 宝島 -DXの勇者たち-」(主催:サイボウズ)の基調講演の一部を抜粋し、編集部で再構成した。

日本企業はグローバルでなぜ勝者になれなかったのか

サイボウズ 青野慶久社長

青野氏: ゲストにさくらインターネットの田中邦裕社長をお迎えして、語り合いたいと思います。若くして日本を代表するインターネット運営会社を育ててこられた田中社長は、このほど一般社団法人ソフトウェア協会の会長に就任されました。さくらインターネットは創業が1996年と当社(サイボウズ)よりも少し早いですが、私とは7歳ほど年齢が違うんですね。創業から26年を迎られましたが、この四半世紀を振り返ってどうですか?

さくらインターネット 田中邦裕社長

田中氏: インターネットが成熟して、データセンターの波とクラウドの波が訪れましたが、当社は常に成長している市場で事業を展開しています。その中で「次は何が伸びるか」に目を向けることが重要です。サイボウズさんがクラウドシフトの波とノーコード/ローコード開発の波の中で成長してこられたのと同じですね。

青野氏: 日本のデジタル化が進まないと言われる一方で、業容を転換しながら新しい価値を追求してきた会社が伸びています。でも、貴社は競合が巨大資本のグローバルIT企業なので大変ではないですか?

田中氏: いろいろ学ばせてもらっています。SaaS(Software as a Service)は国ごとでさまざまなサービスがありますが、下のレイヤー(インフラ)では文化はほとんど関係ないのでハードな戦いになります。

青野氏: 性能とパフォーマンスの戦いになりますね。

田中氏: 良い人が入社したいと思う環境を作り続けられて、強い競合企業があっても市場から排除されない企業になれれば生き残れるのではないかと思います。「蜂の一刺し」のように、巨大競合企業があっと驚くようなことができるテックカンパニーであり続けたいですね。

青野氏: ところで、田中社長は一般社団法人ソフトウェア協会の会長に就任されて「Software Everywhere」をキーワードに協会のビジョンを作り直されているところですね。

田中氏: かつては「鉄は国家なり」「半導体は国家なり」と言われましたが、今はまさに“ソフトウェアは国家なり”という時代です。ソフトウェアにフォーカスして社会を発展させていこうというのが協会のテーマです。設立当時は今のようにまだクラウドがなかった時代ですが、最近ではAmazonやGoogleも会員に名を連ね、2021年には定款が変更されて一般のユーザー企業も入会できるようになりました。そこから、多くのユーザー企業に参加いいただくようになりました。現在、情報処理技術者試験(IPA)の受験者数が爆増しているのですが、その多くがユーザー企業の方です。ユーザー企業がエンジニアを育ててソフトウェア企業にもなり得る時代なのです。

青野氏: ただ、この25年ほどを振り返ると、僕の中では海外勢に差をつけられた感覚があるんですよ。日本の検索エンジンやPC、携帯電話なども気付いたら全て海外勢に持っていかれたような。

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