内部不正と従業員監視の実態調査(2025年)/後編

従業員監視ソフトを導入した企業 「高い満足度」の正体

テレワーク中の生産性向上を目的とした従業員監視ソリューションのニーズは鈍化したものの、内部不正対策などセキュリティリスクへの懸念から監視の目的が変化した。導入企業の約9割が全従業員を監視対象としている。調査の結果分かったのは満足度の高さだ。

 モバイルワークや在宅勤務の普及を背景に、企業が従業員の職務遂行状況から生産性、情報セキュリティリスクの把握や管理をするニーズが高まっている。各社は従業員監視ソリューションをどのように利用しているのだろうか。従業員はこのようなソリューションに不満を抱いているのだろうか。

 Fortune Business Insightsが2025年9月に発行した「Employee Surveillance and Monitoring Software Market」*によれば、従業員監視・モニタリングソフトウェアの世界市場規模は、2024年に5億8780万ドルであり、2025年の6億4880万ドルから12.3%の年平均成長率(CAGR)を遂げ、2032年には14億6520万ドルに成長すると予測されている。日本市場もこの流れに追従すると見られている。

 そこでキーマンズネットでも2年ぶりとなる「内部不正と従業員監視に関するアンケート」(実施期間:2025年9月17日~10月3日、回答件数:287件)」を実施した。本稿では、前編に続いて企業における従業員監視の現状を紹介する。

Employee Surveillance and Monitoring Software Market Size, Share & Industry Analysis, By Software Type (Standalone, Integrated), By Deployment (On-premise & Cloud), By Type (Remote Employee Monitoring & Premises Employee Monitoring), By Enterprise Type (Large Enterprises & SMEs), By Application (Productivity Monitoring, User & Entity Behavior Analytics, Application & Website Monitoring, Insider Threat Detection & Prevention) By Industry (BFSI, IT & Telecom, Manufacturing, Retail, Energy & Utility, Government), Regional Forecast, 2025 - 2032(Fortune Business Insightsによる市場予測)

生産性向上を目的とした従業員監視ニーズは下火傾向か

 まず、従業員監視ソリューションは監視する対象や機能によって幾つかの種類に分類されるのが一般的だ。前編で取り上げた内部不正対策のために従業員の行動を検知・分析する、主に情報システム部門やセキュリティ対策部門が利用するソリューションがある。

 他には人事・管理部門などが生産性向上を目的として利用する監視ソリューションがある。従業員がPCで実作業にあたっていた時間をトラッキングしたり、アプリケーションやWebサイトの利用状況や従業員のPC画面を自動記録したりする機能を持ったソリューションなどだ。今回は主に後者を対象に利用実態を調査した。

 はじめに従業員監視ソリューションの導入状況を尋ねた(図1)。

図1 従業員監視ソリューションの導入状況
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