サイバー攻撃で販売43%減、ランドローバーの生産を1カ月止めたセキュリティリスクとは
自動車メーカーの事業は一社にとどまらず、幅広い供給網に依存している。逆に言えば自動車メーカーがサイバー攻撃を受けると、その影響は産業界に波及する。そのような事例を紹介しよう。
自動車メーカーがサイバー攻撃を受けるとどのような影響があるのだろうか。その事例の一つが英国のJaguar Land Rover(JLR、ジャガー・ランドローバー)だ。
同社はサイバー攻撃を受けた結果、1カ月以上にわたって生産が不安定になった。同社は2026年1月5日(現地時間、以下同)に今会計年度の第3四半期の販売実績について発表した(注1)。結果は深刻だった。
サイバー攻撃で販売43%減、ランドローバーの生産を1カ月止めたセキュリティリスクとは
JLRによると、2025年12月31日までの3カ月間における卸売販売台数は、2024年同期比で43%減の5万9200台に落ち込んだという。この台数には中国におけるChery Jaguar Land Roverの合弁事業は含まれていない。
同四半期の小売販売台数も2024年同期比で25%減の7万9600台となった。
サイバー攻撃に加えて、米国での追加関税や、新モデルへの移行に伴う旧型品の生産終了も売上高に影響を及ぼした。
JLRがサイバー攻撃に遭ったことを最初に発表したのは2025年9月初旬だった。ほぼ同時に英国やその他の地域の施設で生産が止まった(注2)。その後、長期間にわたってフォレンジック調査が続き、運用上の安全性を確保しつつ、同年10月中旬から段階的に操業を再開した。
このサイバー攻撃の影響はJLR一社にとどまらなかった。同社のサプライチェーンが広範囲で混乱したため、英国経済にも約25億ドルの損失をもたらした(注3)。
JLRが通常業務を完全に回復したのは2025年11月中旬になってからだった。同社は今会計四半期の通期決算を2026年2月中に発表する予定だ。
出典:Jaguar Land Rover reports fiscal Q3 sales slump following cyberattack(Cybersecurity Dive)
注1:JLR Q3 SALES IMPACTED BY CYBER INCIDENT AS PREVIOUSLY INDICATED(JLR)
注2:Jaguar Land Rover extends production delay following cyberattack(Cybersecurity Dive)
注3:Jaguar Land Rover begins phased restoration of services following cyberattack(Cybersecurity Dive)
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