生成AIだけでは難しいCOBOL解析 「高精度な設計書生成」を実現した富士通の新手法とは
富士通は、COBOLなどで構築された既存システムのソースコードを解析し、設計書を自動生成するSaaS「Fujitsu Application Transform powered by Fujitsu Kozuchi」を国内で提供開始した。レガシーシステムのモダナイゼーションを後押しするとしている。
富士通は2026年3月30日、企業や組織のモダナイゼーションを支援するSaaS「Fujitsu Application Transform powered by Fujitsu Kozuchi」の国内提供を開始した。既存のレガシーシステムに含まれる「COBOL」言語などのソースコードを解析し、既存システムの内容把握に必要な設計書を自動生成する。
設計書なきレガシー刷新に道筋
背景には、レガシーシステムの設計書が長年更新されず、システム全体像や詳細仕様がブラックボックス化しているという課題がある。富士通によると、こうした環境では解析に大きなコストと時間がかかる上、有識者不足もモダナイゼーションの障壁になっていた。特にメインフレーム由来のCOBOL資産は、長年にわたる記述方法の違いもあり、解析が難しいという。
Fujitsu Application Transform powered by Fujitsu Kozuchiは、残存する設計情報や既存プログラムにコード解析技法を適用し、「Fujitsu ナレッジグラフ拡張RAG for Software Engineering」を使ってRAG(検索拡張生成)を管理する(編集注:必要な設計情報を生成AIが検索、参照しやすいようにコード間の関係性を整理する)ことで、大量のソースコード間の関連付けを実施する。これによって、抜け漏れやハルシネーションを抑えながら、解析精度と可読性の高い設計書を自動生成するとしている。
富士通は本サービス提供に当たり、2025年2月に提供開始した「設計書リバースサービス for アプリケーション資産」の実績を基に、解析技術や設計書生成のノウハウを標準化したとしている。これによって、従来は人手で多くの時間を要していたプログラム理解から設計書生成までの作業を、有識者がいなくても約30分の1に短縮できるという。富士通によれば、通常の生成AIだけで解析する場合と比べ、COBOL解析での網羅性は95%、設計書の可読性は60%向上したと説明している。
富士通は、設計書の自動生成を起点に、システムの仕様や特性の把握から、モダナイゼーションやマイグレーションの方針策定、実施までを支援していく考えだ。今後同社は、導入支援サービスの提供に加え、既存資産を生かすリビルド機能や、ソースコードを書き換えるリライト機能、運用保守を支援する機能を2026年度以降に順次提供する予定だ。
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