SaaSもAIも増えすぎ……と現場がパンクして仕事が回らない時に試すべき5つのルール

SaaSやAIの普及により、業務を支援するツールや機能の選択肢は広がった。一方で現場では、「どのツールを使うのか」「どの手順が正しいのか」「AIに何を任せてよいのか」といった迷いも増えている。マニュアルやIT資産管理、SaaS管理、DAPなどの支援ツールは有効だが、その前提となる業務フローや利用ルールが曖昧なままでは効果を出しにくい。情シスは何を先に整理すべきなのか。

 業務アプリケーションは増え続けている。経費精算や勤怠管理、ワークフロー、CRM(Customer Relationship Management)、SFA(Sales Force Automation)、オンライン会議、チャット、ストレージ。さらに近年は各種SaaSにAI機能が組み込まれ、利用者が日常業務の画面上でAIを使える場面も増えた。

 だが、便利になったはずなのに現場の迷いは減っていない。「この申請はワークフローで出すのか、チャットで依頼するのか」「顧客情報はCRMに入れるのか、部門の『Microsoft Excel』も更新するのか」「AI機能に社内情報を入力してよいのか」「困ったときは情シスに聞くのか、業務部門に聞くのか」。こうした迷いは、単なる操作方法の問題ではない。

 クラウドサービスの利用では、機能や費用だけでなく、利用者サポートの体制も確認対象になる。立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の「中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き」でも、サービスの使い方が分からないときの支援として、ヘルプデスクやFAQが提供されているかを確認する観点が示されている。導入後の支援体制をどう設計するかは、SaaS活用の前提になる。

中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き(提供:IPA)

問題は「マニュアル不足」ではなく、判断軸の不足

 現場が迷うと、まず「マニュアルを作ろう」という話になりやすい。もちろん、マニュアルやFAQは必要だ。新しいSaaSを導入したとき、操作手順や注意点、問い合わせ先がまとまっていなければ、同じ質問が繰り返し寄せられる。

 ただし、マニュアルは決まった使い方を伝えるためのものだ。そもそも、どの業務でどのツールを使うのか、誰が例外を判断するのか、AI機能に何を入力してよいのかが決まっていなければ、マニュアルを増やしても迷いは残る。

マニュアルがあればいい、というわけではない
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