SaaSのサポートには、英語で問い合わせた方がトク?
セキュリティ関連のSaaSを導入した担当者に話を聞いていた時、サポートの話になった。その担当者は英語が全く得意ではないのに、サポートとのやりとりを英語でするという。別に日本語で対応していないわけではないのに、一体なぜ?
海外ベンダーのSaaSを利用する前に、選定のポイントの一つに挙がるのがサポートの充実度だ。実際、企業にSaaS選定の取材をした際に必ず出てくる話題でもある。
サポートの充実度を判断する基準は、担当者の属性やスキルなどに依存するため、一概にどこを見るべきかは言えない。しかし、日常的な問い合わせはもちろん、何か障害があったときにきちんとコミュニケーションが取れて、最終的な解決に結び付くかどうかという点で、日本語でのサポートができるかどうかは重要だ。
語学堪能ではないのにあえて英語でサポートへ連絡
先日も、セキュリティ関連のSaaSを導入した企業の担当者に話を聞いていた時、やはりサポートの話になった。ただ、その担当者は基本的に英語でやりとりするという。英語が堪能なのだろうと聞いてみると、全く得意ではないとのこと。だが、あえて英語だと説明する。
それは、チャットで対応してくれるサポートの人が英語圏のケースが多いからだという。「英語で問い合わせた方が、明らかにレスポンスが早い。困ったときほど、英語で問い合わせしています」とのこと。
確かに、SaaSベンダーのSOCチームが海外拠点であれば、その方が早くなるのは必然だろう。ちょっとややこしいことでも、生成AIで英語に変換してもらえば問題ない。その担当者は実際に、日本語の場合と英語の場合のレスポンスを何度か測定し、その統計情報を基に英語での問い合わせに切り替えたという。
となると、英語圏のベンダーでなければ、その国の言語の方が英語での問い合わせよりも早く正確な情報が得られる場合もあるのだろうか。SAPならドイツ語がベスト、なんてナレッジを持っている人がいれば、ご連絡いただきたい。
物理的なマニュアルはいらない、いるのは情報のみ
その他、マニュアルの充実度も、最近はあまり製品選定のポイントにあがりにくいようだ。困ったときには生成AIに聞いて、ある程度当たりをつけていけば解決できるという声もよく聞かれる。豊富なQ&A関連の情報がネットに公開されていると、その情報を生成AIが参照、学習してくれるからだ。情報を積極的に公開してくれていれば、わざわざベンダーが用意したマニュアルを見る必要がないというわけだ。
SaaSベンダーとしては、生成AIに正しい情報を学習してもらうためにマニュアルに類する情報を用意する必要はある。私も以前はマニュアルを整備する仕事をしていたこともあるが、最近はそんな仕事も来なくなっている。マニュアル作成も生成AIのお仕事になっていることは容易に想像できてしまう。
一方で、生成AIはいつも正しいわけではないことはご存じの通りだ。生成AIが、ここにあると主張する場所に目的のマニュアルがなかったなど、不確実な情報をあたかも正しいかのように語ってくることも当然ある。
いずれ生成AIの登場によってサポートのあるべき姿も様変わりしつつあることを実感している人も多いことだろう。自分の相棒として生成AIをうまく活用しつつ、その絶妙な距離感を維持しながら付き合っていきたいところだ。
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