AI議事録、「作った後」が課題に 個人に埋もれる記録をどう会社の資産に変える?
AI議事録ツールを使えば、会議記録の作成にかかる手間を減らせる。一方、作成した議事録をどう管理・共有し、業務に生かすかという課題は残る。個人に蓄積された議事録を顧客・案件情報と結び付け、組織のナレッジとしてどう活用するか。
AI議事録ツールの普及で、会議の記録を作成する作業の効率化が進んでいる。一方で、作成した議事録をその後どう管理し、業務に生かすかという課題は残る。議事録が個人のアカウントやツールに蓄積されると、必要な記録を探すのに時間がかかり、顧客や案件の情報と別々に管理しなければならないケースもある。議事録作成の効率化だけでは、会議の内容を組織のナレッジとして活用するところまでつながらない。
議事録が「個人の記録」で終わる、業務上の課題
議事録は、単に会議の内容を残しておくための記録ではない。商談で確認した顧客の要望や、プロジェクトで決まった事項、次回までの対応内容など、日々の業務に関わる情報が含まれている。こうした情報を担当者個人が管理する状態では、過去のいきさつを確認したり、担当者間で情報を引き継いだりする際に、必要な記録を探す手間がかかる。
また、顧客情報や案件情報を業務システムで管理していても、議事録だけが別のツールに保存されていれば、関連情報をまとめて確認しにくい。議事録の作成を効率化するだけでは、組織のナレッジとして十分に生かせない。必要な記録を検索・共有し、日々の業務で活用できる仕組みも必要だ。
こうした、議事録作成後の管理、活用に関する課題に対し、M-SOLUTIONSは2026年9月、AI議事録作成ツール「LINE WORKS AiNote」で作成した議事録を、業務改善プラットフォーム「kintone」に取り込んで一元管理する「AiNote連携プラグイン for kintone」の提供を開始した。AiNoteはLINE WORKS、kintoneはサイボウズが提供する。議事録を顧客や案件などの業務データと同じ基盤に集約し、検索や共有、活用につなげる。
今回のプラグインは、こうした議事録管理の分散を解消することを狙ったものだ。AiNoteで作成した議事録をボタン1つでkintoneのレコードに取り込み、「1議事録=1レコード」の台帳として管理できる。kintoneで議事録を検索、共有、集計できるほか、顧客や案件の情報と同じ場所に蓄積することで、日常業務の中で参照しやすくする。
機能の柱の一つが、ボタン操作による差分取り込みだ。AIによる要約と文字起こし全文を含む議事録を取り込み、新規登録、更新、スキップを自動で判定する。取り込み済みの議事録との重複登録や、取り込み漏れを防ぐ仕組みを備える。
決めた時間に議事録を取り込む、自動取り込みにも対応する。あらかじめスケジュールを設定しておけば、メンバー全員分の議事録をkintoneに自動で集約できる。担当者が都度操作する必要はなく、翌朝には前日の会議記録がそろっている。自動取り込みの利用可否や実行回数は契約プランによって異なる。
導入時は、配布されるテンプレートを読み込むことで運用を始められる。既存のkintoneアプリにも組み込めるため、現在の業務フローを大きく変えることなく、議事録を一元管理できる。
蓄積した議事録は、kintoneの基本機能「kintone AI」など、生成AIの参照データとしても活用できる。M-SOLUTIONSは、会議で個人が得た情報を議事録として残すだけでなく、組織で共有・検索できる業務データとして蓄積することで、社内のナレッジ活用につなげる考えだ。AIで議事録を作成するだけでなく、蓄積した記録を必要なときに検索し、日々の業務に活用できる環境を整える。
M-SOLUTIONSは、kintoneのプラグインや連携サービスを25種類以上提供し、SI事業を通じて企業の業務改善を支援してきた。今回のプラグインも、議事録作成の効率化のほか、会議情報を業務データとして活用することを狙ったものだ。
料金プランは4種類。いずれも利用には、kintone(サイボウズ)のスタンダードコースと「LINE WORKS AiNote」の契約が別途必要になる。フリーは月額・年額ともに0円で、月5件まで議事録を取り込める。自動取り込みには対応せず、評価導入や個人利用を想定する。
スターターは月額5280円、年額63360円。月100件まで取り込め、自動取り込みは1日1回に対応する(いずれも税込)。十数人規模までの中小企業を想定したプランだ。スタンダードは月額1万9800円、年額23万7600円で、月400件まで取り込める。自動取り込みは1日4回に対応し、数十人以上の部門導入を想定する。
プレミアムは月額5万2800円、年額63万3600円。月1200件まで取り込め、自動取り込みは毎時、最大で1日24回まで設定できる。数百人以上の全社導入を想定したプランとなっている。
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