UPS本体のLEDや液晶パネルの表示の分かりやすさもさることながら、設定管理用のツールの使いやすさが肝心だ。図6のように専用ツールを用いる場合と、図7のようにWebブラウザを利用する場合とがある。
特に注意したいのが、自動シャットダウンやリブートの設定だ。図8のようにシステムを構成した場合、マスターとなるPCサーバのシャットダウンツールとその配下になる各種サーバに導入されたエージェントソフトが協調し、LANを介してOSシャットダウンを行い、その成功をみて、コンセント毎あるいはコンセントグループ単位で給電を断つ。その手順の一例を図9に示す。
製品によるが、エージェントが導入できないアプライアンスでもスクリプトを用意しておけばtelnetやSSHで自動シャットダウンが可能になる。シャットダウン後に電源が復旧した場合には、PCやサーバ側での設定による自動リブートも可能で、どちらの順番もツール上でスケジュール設定できる。
このように複雑なスケジュールを描くことが、カンタンにできるかどうかが1つの評価の目安になるだろう。もっともGUIは慣れに依存するので見た目だけでなく、自社に必要な管理項目を実際に試してみて、不足のないもの、分かりやすいものを選ぶことをお薦めする。
現在最も気になるのは仮想サーバ環境の自動シャットダウンやリブートだろう。UPSメーカーがツールをバージョンアップしているので、Hyper-VとVMware、Cytrix XenServerなどへの対応が進んでいる。
どの仮想化ツールに対応しているかを見ておく他、対応のレベルにも注意をしたい。仮想サーバを順番にスケジュールに従って終了させ、次いで物理サーバを終了させる手順がスムーズに行えるかどうか、また終了前にライブマイグレーションで仮想サーバを別物理サーバに移動したうえで終了させることが可能かどうかなどをチェックしておきたい。
なお、仮想環境の自動シャットダウンなどの仕組みは基本的に物理環境の場合と同様で、ハイパーバイザ/仮想OS上の管理サーバにツールを導入、配下に入る仮想マシンのシャットダウン、リブートを行うことになる。もちろん物理サーバ側は仮想マシンの終了を待ってシャットダウンし、復電したらリブートする。
以上、今回は最新UPSの中でも小〜中型の機種に絞って注目ポイントを紹介した。メーカーやベンダー各社は管理用ツールの試用版(UPS貸し出しも含め)を提供していることがあるので、気になる製品をリストアップして、ベンダーに試用を相談してみるとよいだろう。また、マニュアルなどのドキュメントの多くがWebで公開されているので、事前に一読しておきたい。
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