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» 2014年05月07日 10時00分 公開

コスト部門から攻めのITへ、サービスデスク最新事情IT導入完全ガイド(4/4 ページ)

[土肥正弘,ドキュメント工房]
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 既存のサービスデスクツールは現在ほとんどがクラウド版を販売するようになった。既存ツールをそのままクラウド版にしたものもあれば、クラウド版で新たに構築し直したツールもある。ここでは製品を選んでいくときの注意ポイントを幾つか挙げてみよう。

パブリッククラウドかベンダーの独自クラウドか

 可用性やレスポンスが議論されることは多いが、既にさまざまなクラウドサービスが利用されている現在では、情報系システムに関してあまりデメリットは聞かれない。

 特に中堅・中小規模の企業では、むしろ自社ではなかなか達成できないレベルの可用性が認められており、インターネット経由でもレスポンスも支障がないレベルのサービスが多い。サービスデスク管理に要するデータは基本的には小サイズであり、よほどの大企業で無い限りトランザクション数も問題にならないことと思う。

 むしろ問題なのは自社情報の保管場所だ。カントリーリスクの1つに、クラウドサービスのデータには、その保管場所の国の法律が適用されてしまうことがある。サーバの差し押さえやデータの閲覧などが起こり得ないとはいえない。

 国内データセンタでのみ運営されるサービスなら心配はないが、国内業者のサービスであってもプラットフォームには海外のIaaSやPaaSを利用している場合があるので、データの機密保持を優先しなければならない場合には、選べるサービスが決まってくる。むしろオンプレミス構築がお勧めだ。

CMDBの充実のための機能を調べる

 サービスデスクの中核となるのがCMDBであり、CMDBの基礎は社内のITシステムの構成情報だ。これについてはサービス利用の前にきちんと把握することが重要。IT資産管理ツールのように、ネットワークを介して自動的に情報収集する機能があると好都合だ。ベンダーによってはそんな機能を標準、またはオプションで提供している場合があるので相談してみよう。

ITIL導入、運用ができるツールを選ぼう

 サービスデスク導入の機運が最初に高まったのは運用管理の国際標準「ITIL」が日本に上陸した2003年以降のこと。当時からサービスデスクツールはITILに対応するベストプラクティスを製品自体に備えており、ITILベースの運用管理スタイルへの移行に大きな役目を果たした。

 ただし、移行を果たした企業でもITILがVer.3、2011版と変遷して、ビジネス視点でのITサービスが強調されるようになるにつれ、現状とのギャップを感じる企業は少なくないだろう。

 ITILの専門家によれば、「Ver.2が日本に紹介されてから多くの企業が導入をしてきたが、日本ではVer.2の導入からあまり時間がたたないうちにVer.3がリリースされたために、Ver.2と3はどのくらい違うのという問いに対して『内容は85%は同じ』と答えた人がいる。実はその差分の15%にこそ、今後のITライフサイクルマネジメントに関する重要事項が含まれているのにもかかわらず、日本では『大きく内容が変わらないのなら今のままで良い』とVer.3を学習したり導入をしたりする事にブレーキがかかってしまった歴史がある」と語る。

 現在のサービスデスクツールは、まさにビジネス価値を創造するためのツールとして変身してきており、残り15%を埋めるのにも、これからITILを導入するための入口としても、有用なものになっている。

 ただし、機能を限定して窓口業務の効率化に偏重したツールもサービスデスクツールとして市販されているので、ツールの本質をよく見極めたうえで、自社が求める将来の運用管理イメージにふさわしいツールを選びたい。

運用管理部門をコストセンターからプロフィットセンターに変革

 IT運用管理はコストセンターであって投資はできるだけ減らすべき、というのが昔からの1つの考え方だ。サービスデスクツールを利用してもIT部門がラクになるだけでは、経営層や業務部門の了承はなかなか得られない。

 経営層と業務部門が納得できるだけの機能を備え、便利さが体感できるツールなら、稟議は通りやすくなるだろう。ビジネス上の価値を享受させる一方で、運用管理業務を省力化していけば、徐々にITIL対応などの運用管理体制を整備していく余裕も生まれてくるはずだ。

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