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最新製品を徹底解説、スマートフォン特集IT導入完全ガイド(4/4 ページ)

» 2014年06月23日 10時00分 公開
[二瓶 朗グラムワークス]
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スマートフォンの利用目的を確認する

 スマートフォンの導入を検討するとき、多くの場合比較対象となるのは、現在使っているフィーチャーフォンとなるはず。これまで利用してきたフィーチャーフォン端末が陳腐化したからという理由だけでスマートフォンへ乗り換えるのは早計すぎる。従来どおり通話をメインに業務用端末を選択するなら、必ずしもスマートフォンを選択する必要はないだろう。

 一方で、Windows XPを搭載したモバイルノートPCの置き換え需要というものもある。古いノートPCでメールの読み書きやWeb閲覧、多少のアプリを利用する程度なら、サポートの切れたXPからあらたなWindowsへの乗り換えではなく、最新のスマートフォンへ乗り換え、クラウドサービスなどと組み合わせながら業務に活用するといった使い方もできる。

 スマートフォンをどのようなスタイルで利用するか、それを見極めてから導入を検討するのが選び方の第一歩となるだろう。

セキュリティが確保できるか確認する

 次のポイントはセキュリティだ。業務で使うことを考えると、端末自体がそれなりのセキュリティを確保できるかが重要になる。MDMツールなどを利用して端末のありかを探したり、遠隔操作によってデータをワイプしたりということは可能だ。

 ただそれまでのタイムラグ中に、データが読み取られる危険性は十分ある。紛失したときに内部の情報を容易に読み取られるのは困る。だからこそ、端末自体が容易にロックを外せない仕様になっていたり、取り出したメモリーカードが暗号化されていて、容易に読み取れないような仕様になっていたりするスマートフォン端末を利用できるか十分に検討したいところだ。

費用対効果を確認する

 スマートフォンを導入するときのコストも大きなポイントとなる。端末自体の価格も大きいが、月額利用料金はフィーチャーフォンから比較すればどうしても高額になる。

 NTTドコモをはじめとするキャリアが提示し始めた「通話料金定額」や「パケット量シェア」といった価格プランは、企業にとってはメリットとなる部分が多い。ただし、スマートフォンの契約は、「2年利用が前提」といういわゆる「2年シバリ」に基づいている場合がほとんど。2年間運用するのに、どれほどの料金が発生するのかはシビアに検討するポイントとなるだろう。

 そして、そのコストに対してスマートフォンがどれだけ活用できるかがさらなるポイントとなる。最初に挙げた「利用目的を確認する」にもつながるが、エンドユーザーがメールやWebはPCでこなすからフィーチャーフォンで全く問題ないというような状態だったりすると、まったく導入損ということになりかねない。

運用や管理の容易さを確認する

 従来のフィーチャーフォンだと、端末を管理していたのは総務部門が多いそうだが、スマートフォンとなると同様に管理することはほぼ不可能となる。MDMツールを運用する手間などを考えると、モバイルノートPCを運用、管理するような手間と人的コストが発生することとなる。場合によっては、専門担当者を増やす、管理する部署を新設する、というような展開にもなりかねない。スマートフォン導入に際しては、その点を十分に考慮する必要があるだろう。

端末のスペックはもはや不問?

 3年ほど前(2011年ごろ)だと、「スマートフォンはセキュリティが不十分」「Android端末の完成度が低くて使いものにならない」「バッテリーが持たなすぎる」などといわれて敬遠される要因となっていた。

 しかし、このところの端末は、Androidスマートフォン、iPhoneともにそういった点がかなり改善されていて、少なくともセキュリティと端末完成度に関しては3年前とは全く異なる状況になっている。

 画面の大きさ、解像度もほぼ横並びだし、以前は端末選びの1つのポイントだったCPUスペックなどもほとんど違いはなくなっている。バッテリーの持ちに関しては、運用環境などにも左右されるから一概には言えないが、それでも半日でバッテリーが切れるというようなケースはかなり少なくなっている。

 また、Android OSに関しては、複数のバージョンが市場に存在し、それぞれで使い勝手やセキュリティレベルが違い混乱の元になっていたが、OSバージョンが4.0を超えてから(現在は4.2〜4.4が主流)は統一感が高まり、どの機種を触ってもその使い勝手、機能は大きく変わらなくなっている。

 iPhoneとAndroidスマートフォンでできることもほぼ共通となり、アプリも両対応のものがほとんどで、基本機能の違いでOSを検討するという必要はなくなっている。

 つまり、どのスマートフォン端末を選択したとしても大きな差異は感じられないのが現状だ。デザインを考慮するぐらいで、どの端末でもほぼ同じに利用できるはずだ。

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