ERPの品目マスターへの新商品登録のための申請、承認のプロセスにワークフローツールを用いて申請情報の入力から承認、ERPへの登録処理を自動化したところ、運用ルールが整理され、申請内容の不備をなくすことに成功。リアルタイムなデータ連携のためのシステム基盤を利用して、情報発生からEPR登録までの時間短縮が実現した(図4)。
交通費などの経費精算にワークフローツールを導入、入力画面では経路探索アプリと連携して詳細経路を検索しながら申請できる仕組みを用意したところ、記入ミスが劇的に低減。またファームバンキングとの連携により、経費精算は自動銀行振り込みにしてキャッシュレス化にも成功した。Active Directoryとの連携によるシングルサインオンも実現して、今後のアプリケーション追加を容易にしている(図5)。
自動車の修理受付けと修理対応にワークフローツールを適用した。ユーザーからはタブレットなどを利用して写真つきで修理申し込みを可能にし、その申請を受け付けたら写真にアノテーションをつけ必要情報とともに修理担当部門に見積もりを依頼する。
過去事例や部品データベースからの情報を基に作業やコストを洗い出し、適切なスキルを持つスタッフをアサイン、見積もりの作成やスタッフへの作業依頼、ユーザーへの回答など一連の作業自動化が実現できた。ユーザーからの申し込み内容と、他の業務システムからのリアルタイム情報を基にして、ワークフローを柔軟に自動生成し、複雑に分岐する申請、承認処理をスムーズにするとともに、コア業務が迅速に遂行されるように管理することが可能になった(図6)。
ワークフローの動的な生成とは、ワークフローツールとルールエンジン(条件により処理を変更するビジネスルールを定義、実行するツール)を組み合わせ、Excelへのルール書き込みに従ってワークフローを自動設計、実行する仕組みを指す。ルールは必要に応じて簡単に追加や変更が可能だ。
以上、現在のワークフローツールが単なる伝票の電子化とは次元が異なる業務効率化と生産性向上に寄与し、ビジネスのスピード化や競争力強化に結び付いていることを紹介した。では、ワークフローツールをどう選べばよいのかを考えてみよう。
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