最新ワークフローツールの導入成功例を類型別に幾つか見てみよう。定性的効果や他システムとの連携に注目してほしい(事例と説明図版とは直接関わっているとは限らない。また一部に想定事例を含む)。
紙ベースでのワークフローで生じがちな申請書の紛失がなくなり、承認作業も進捗(しんちょく)がモニターされ視覚化できるため、チェック漏れや滞留状況が分かり、遅延の発生が抑えられた。特に稟議(りんぎ)書は本番リリース後、決裁スピードが10倍に改善された。
同業他社でも、承認のタイムラグが少なくなった結果、決裁までの時間が従来2日かかったところを20分にまで短縮した事例、モバイル端末からの承認処理が可能になったため、承認権限者の外出時や海外出張中でも承認のタイムラグを低減することに成功した事例がある(図2)。
既存ワークフローツールを新ツールにリプレースし、運用を業務部門に移管したところ、システム部門の負荷軽減はもとより、組織情報の自動連携機能を付加したことにより、従来では組織変更時に徹夜で変更作業していた時間と労力が低減した。
また、ワークフローツールで進めた業務の結果(経費精算など)を自動的に基幹システムに入力する仕組みも追加したため、申請者と基幹システムオペレータのデータ2重入力が削減された(図3)。
多店舗を経営するある企業では、各店舗と本部間での申請、承認プロセスの合理化が課題だった。売上管理やクレーム管理、備品管理など、多岐にわたる申請の内容をワークフローツールにより入力時点で標準化し、記入内容漏れや不備に関するチェックと問い合わせの時間を削減し、スピードアップに成功した。
申請書の紛失をなくし、申請や承認プロセスの証跡を確保するとともに各プロセスのローカルルールを排除して受付担当の負荷を軽減、さらにサーバルームへの入退室管理に適用して厳正な管理、内部統制およびコンプライアンス向上に貢献した。また業務システムのアカウント払い出しに利用することにより、権限外のアクセスを防ぐ効果も得られた。
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