クラウドサービスでは、必要に応じてサーバやストレージなどのリソースを、即時に、必要な量、大きさを、必要なだけ確保できる。従って、ハイブリッドクラウドに対応した統合運用管理ツールには、この管理対象の変化にリアルタイムに適応できることが求められる。
この条件を満たしていない場合、実態に即していない不完全な運用管理により品質低下を招くことになる。また、クラウドを活用に求められるビジネスの迅速化に応えられず、運用管理がネックとなってシステム全体を硬直化させてしまう。
管理対象システムの変化をリアルタイムに把握するためには、パブリッククラウド側から多種多様な稼働、監視情報を自動的に取り込む必要がある。
統合運用管理ツールが基盤として活用しているパブリッククラウドがサポートされる管理プロトコルおよびAPIと連携でき、緊密なデータのやりとりが保証されているかどうか要確認だ。
従来の多くのシステムはハードウェアの保守期間を基準に3〜5年程度のライフサイクルで更新が行われてきた。これに対してクラウドに移行したシステムは、ハードウェア層から切り離されることで、より長期間にわたった運用が行われる可能性がある。
従って、統合運用管理ツールにも長期的なスパンでの一貫したサポートが求められる。仮に現時点での機能が優れていたとしても、数年先にサポートが打ち切られてしまった場合、運用管理に大きな支障を来すことになるからだ。
バージョンアップが行われた際に世代間でどこまで互換性が保証されてきたかなど、過去の実績や事例からベンダーの基本姿勢を見極める必要がある。
ミッションクリティカルなシステムの運用を支える統合運用管理ツールには、その仕組み自体に高度な信頼性が求められる。その意味からも、HAクラスタ構成に対応して可用性を保証できる統合運用管理ツールは安心感が高い。
また、統合運用管理ツールそのものをクラウド環境で運用するケースも増えているため、オンプレミスのみならずパブリッククラウド上でもHAクラスタ構成を組むことが可能かどうか確認しておきたい。
システムの運用環境は、SDx(Software Defined 〜)やOpenStack、セキュリティといったキーワードを軸に今後も大きく変化していくと予想される。その統合運用管理ツールがどのような方向への進化を目指しているのか、機能拡張のロードマップにも注目しておきたい。
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