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ITによる情報共有の取り組み状況(2014年)IT担当者300人に聞きました(2/5 ページ)

» 2015年03月24日 10時00分 公開
[キーマンズネット]

ITによる情報共有は「情報にたどり着けない」

 次に、「情報共有のためにITツールを導入、利用するメリットとデメリット」について尋ねた。その結果、導入メリットの1位は「スケジュール共有が容易になった」で71.6%、2位は「業務知識やノウハウの共有・活用がしやすくなった」で51.3%、3位は「規則やマニュアルなどが探しやすくなった」で38.1%と続く結果となった(図2-1)。

 フリーコメントには、「掲示板、メールにより速やかな情報共有ができている」「情報の更新が容易になった。リアルタイムで更新できている」といった迅速かつ容易に必要データを共有できるといった意見に加え、「会議が効率化した」といった意見も見受けられた。

 一方、導入したことによるデメリットの1位は「ITツールが使いこなせていない」で47.2%、2位は「情報量が多すぎて、必要な情報にたどり着くまで時間がかかる」で38.2%、3位は「ITツールに頼りすぎて、生のコミュニケーションが薄くなった」で32.6%という結果となった(図2-2)。

 従業員規模別に見ると、「情報量が多すぎて、必要な情報にたどり着くまで時間がかかる」「ITツールに頼りすぎて、生のコミュニケーションが薄くなった」の項目において、企業規模が大きくなるにつれて割合が高くなる傾向にあった。

 ITツールの利用が当たり前となってきた結果、本当に必要とされる情報が埋もれてしまうことや、Face to Faceのコミュニケーション不足が課題となってきた実態が見てとれる。また大企業に比べ、中堅中小企業において「ITツールが使いこなせていない」が課題とされる傾向が見てとれた。

 フリーコメントには、「使いこなせない人はほとんど利用しないので、連絡が滞ってしまう」「年配の方が苦戦」「申請書類がグループウェアになったが、教育がないので使い方が分からない」と、せっかくITツールを導入しても利用者の知識やスキルによって活用できていない場合があり、結果として業務に支障を来す場合もあるという声が目立った。

 その他、「出先、自宅でも情報アクセスできるため、会社に居なくても回答を迫られ、結果としてサービス残業が増えている」「四六時中メールや情報が届くのでどこまで会社に拘束されているのか、公私の区別がつきにくい」といった、仕事とプライベートの切り分けが難しくなってきていることに対して不満を感じている声も見られた。

 「メールなどITツールを使わなければ、コミュニケーションができない」「メールや掲示板に頼りすぎて、その後のフォローができていない新入社員が増えた」「情報を伝える側がその情報の重要性を判断できていなかったため、話せば済むことをメールで伝え、リアルタイムに情報が伝わらず処理に遅れが生じた」といったコメントもあり、ITツールを使う上では、共有する情報の内容や緊急度、また情報発信後のフォローなどが必要である。

ITツールのメリットとデメリット 図2 ITツールのメリットとデメリット

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