サービスデスクツールの導入実態を調査した。導入率はわずか16%で、大企業と中小企業では5倍以上の開きがあることが分かった。
キーマンズネットでは、2015年3月13日〜2015年3月30日にかけて「サービスデスクツールの導入状況」に関するアンケートを実施した(有効回答数292件)。回答者の顔ぶれは、情報システム部門が全体の39.4%、一般部門が60.6%という構成比だった。
今回聞いたのは、サービスデスクツールの「導入状況」「導入目的」「重視ポイント」「満足度」「課題や悩み」など、サービスデスクツールの導入状況を把握するための質問だ。その結果、大企業の導入率は約3割であるのに対し、中堅中小企業は1割に満たず、いまだ導入が進んでいないこと明らかになった。
なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。
最初に「サービスデスクにおける業務上の課題や悩み」について尋ねた。その結果、「担当者によって対応のバラつきが生じている」が42.3%、「人手が不足している」が30.1%、「同じ内容の問い合わせが多すぎる」が23.6%、「運用コストがかかりすぎている」が23.2%、「運用レベルを上げたいができていない(ITIL対応など)」が20.7%、「問い合わせ対応に遅れや漏れが生じている」が17.9%、「過去に発生したインシデントとひも付くていない」が16.7%と続いた。
フリーコメントには、「属人化が問題」「営業時間外の対応が行われていない」「言葉遣いが変、問い合わせ内容に適切な回答をしていないなど、サービスデスクとして初歩的な指摘を受ける」といった意見が見受けられた。その他、退職者、休職者への対応など、サービスデスクが会社内の多種多様な問い合わせ窓口となっているという声もあった。
続いて「サービスデスクツールの導入状況」について尋ねた(図1)。その結果、「既に導入済みである(追加・リプレース検討なし)」が14.7%、「既に導入済みである(追加・リプレース検討あり)」が1.4%、「新規で導入を検討している」が1.0%、「必要性を感じるが導入時期は未定」が22.9%、「必要性を感じない」が59.9%であった。
まとめると、追加やリプレースの有無を含めて16.1%が「導入済み」であるのに対し、導入検討の有無を含め83.8%が「未導入」という結果となった。
さらに、従業員規模別に導入率を見た場合、1001人以上の大企業では28.6%が導入済みであるのに対し、101人〜1000人以下の中堅企業においては9.7%、100人以下の中小企業においては5.4%で、大企業と中堅・中小企業とでは導入率に約3倍〜5倍もの開きが出ており、従業員数や問い合わせ数の総量から、当然の結果と考えられる。
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