エンドユーザーからのクレームや相談に対応し、システムの障害発生アラートに脅かされ、他の作業がおろそかになることも。運用管理の現場にとってサービスデスクツールは救世主となるか?
エンドユーザーから日々やってくるクレームや相談の電話とメールに対応しつつ、システムからの障害発生アラートに脅かされ、機器やソフトウェアベンダーなどに必要なサポート依頼をしているうち、対応の進捗(しんちょく)記録や対応結果の記録といった事務作業はついおろそかに。やがてどんなインシデントをどう解決したのかが分からなくなり、その際にシステムに加えた変更が把握されずに次の変更を行ったために不具合を起こすこともある。
そんな運用管理の現場を改善するとともに、エンドユーザーの疑問や苦情、システム上の問題などを迅速に解決し、業務効率を底上げする効果を発揮するのが「サービスデスクツール」だ。今回は、ツールの最新事情と上手な活用法を紹介していく。
サービスデスクツールは、業務部門や開発部門などのエンドユーザーからITシステムに関する問合せやクレームなどを窓口で一括して受け付け、解決までのプロセスを一元管理して効率化するツールだ。今回は、サービスデスクツールが企業のどんな悩みに応えるものなのか、事例を通して紹介していこう。
まずサービスデスク未導入企業の運用管理部門で抱えがちな悩みを挙げてみよう。運用管理部門、業務部門と開発部門に次のような問題はないだろうか。
運用管理部門の悩み
業務部門や開発部門の悩み
いかがだろう。全ては運用管理スタッフの数や力量と、インシデントの量のアンバランスが問題だと考えたら大きな間違いだ。どれだけスタッフがいても、システム運用管理の基本的な流れが定義されず、流れに従って対応業務やサービスそのものを遂行できる仕組みが不十分だと悩みは消えない。サービスデスクツールはその解決のための枠組みを提供してくれる。
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