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サービスデスクツールの効果が分かる3つの事例IT導入完全ガイド(2/7 ページ)

» 2015年06月22日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]

サービスデスクツールの役割と機能

 サービスデスクツールのおさらいをしておくと、基本は常に変化するITシステムの構成を把握した上で(構成管理)、システムアラートやユーザーからの問合せを「インシデント」として起票(チケット発行)して、技術者や機器、ソフトベンダーなどのサポートやサービスへの橋渡しを行ってインシデントの解決(クローズ)までを管理(インシデント管理)するものだ。

 システム開発が必要になるような重大インシデントは別プロセスとして管理し(問題管理)、プロセスの中で多少なりとも生じるシステム変更も記録(変更管理)する。新規の追加や改修、バージョンアップなどはシステム利用者や管理者などに影響が生じるのでリリース手順や時期の管理(リリース管理)も重要だ。ベンダーによって管理項目やその呼び方が異なりはするものの、およそこのような管理機能を備えている(図1)。

サービスデスクツールの管理機能のイメージ 図1 サービスデスクツールの管理機能のイメージ(出典:NRI)
インシデント管理画面 図2-1 管理者用ポータル画面(出典:NRI)
インシデント管理画面 図2-2 インシデント詳細画面(出典:NRI)

 ツールによって重心の置き方は違う。ITIL(運用管理の国際標準)に準じた合理的な運用管理を行うには、システム運用や変更にかかわる図1のイラスト下部の部分の機能性を高める必要がある。一方、SaaSとして提供されている比較的新しいツールの一部には、イラスト上部の赤色部分の問合せから回答プロセスの合理化に重心を置くヘルプデスクツールに近いものもある。企業の事情に合わせて使いやすいツールを選ぶべきだが、いずれにせよ、ゆくゆくはITILに準拠した管理方法が整備できるような構築やサービス利用を図りたい。

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