Windows XPやWindows Server 2003のサポート終了に続き、2016年1月にやってくる「IE8のサポート終了」。これらの延命策としてアプリケーション仮想化が再注目される。
アプリケーション仮想化が注目される背景に、古いアプリケーションを延命させるための手段として有効だという考え方がある。昨今Windows環境もさまざまに変化しており、OSやWebブラウザに依存したアプリケーションをどう次世代環境に対応させるかという課題に悩んでいる企業も少なくない。そこで、アプリケーションの延命に役立つアプリケーション仮想化のポイントについて見ていきたい。
一般的に利用するアプリケーションは、動作するOSやWebブラウザの種類に大きく依存しており、最新の環境で構築されたアプリケーションであっても、いつかは使えなくなる日がやってくるものだ。
最近では、2014年4月に「Windows XP」が、2015年7月には「Windows Server 2003」のサポートが終了したばかり。そして、2016年1月12日にはWebブラウザである「Microsoft Internet Explorer 8(IE 8)」のサポートが終了する。
このIEのサポートライフサイクルポリシーは、マイクロソフトが標準でサポートしているOSで利用可能な最新バージョンのIEのみがテクニカルサポートとセキュリティ更新プログラムを提供されるように2014年11月に変更されている。
サポート切れは致し方ない面もあるが、安定して動作し続けている環境だからこそ、いまだにWindows XPやWindows Server 2003を使い続けている企業もある。また、IE 8については企業内で標準ブラウザとして採用している企業は少なくないのが実態だ。IE8は、Windows XPが最後にサポートしていたWebブラウザであり、Windows 7でも動作するためだ。
例えばIEを例に挙げると、IE8以前はHTML5が反映されず、新しいスタイルシートも適用できないなど、今では一般的になっている機能が古いIEでは使えない状況にある。また、IEの互換性の問題で、以前のIEに準拠して作成されたWebアプリケーションは最新のIEでは正しく表示できず、レイアウト崩れを起こすことも少なくない。だからこそ、以前のIEに対応したWebアプリケーションは、なるべくなら古いIEを使い続けることで安定して使えるようにしたいところだ。
もちろん、Webアプリケーションを最新のIEに対応できるよう作り変えるということがセキュリティを考えた上でも理想的なのは間違いない。しかし、その対応にどれだけコストをかけるべきなのかといったところは、実際の利用状況によっても変わってくる。
経費精算のような全社員が使う業務アプリケーションであれば、アプリケーションを延命させることなく新しい環境に適用した作りにしていくべきだろう。しかし、一部の限られた人しか使わないものは作り変えるのが難しいケースもある。この場合はアプリケーションを延命するという手だてを検討する必要がある。ここで役に立ってくるのがアプリケーション仮想化の技術だ。
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