旅費精算や経費精算などの申請、承認をワークフローツールで行う場合、連携するメリットが大きいのが会計ソフトやERPだ。非常に種類が多い会計ソフトだけに、ベンダーのワークフローツールは弥生会計、勘定奉行、大蔵大臣からSAP R/3に至るまで、多様な会計ソフトやERPと連携できるようになっている。
システム面での変更が少なく簡易な導入が可能なタイプとしては、CSV形式で連携する製品が挙げられる。こうした製品にはデータコンバータ機能を備えたものもあり、相互のデータを自由にインポート・エクスポートが行えるようになっている。
また、ファームバンキングとも連携することで、申請から支払いまでの精算業務がスムーズに行えるようになる。ワークフローツールでの計上処理や仮払・戻入れ金管理、仕分け、ファームバンキング、そして会計ソフト連携により、経理業務の大幅な効率化が期待できるのである。
鉄道経路検索アプリと連携することで、旅費精算にまつわる申請から決裁、経理側の事務処理までを大幅に簡略化することが可能だ。経路の計算が自動的に行えるばかりでなく、無駄な経路による申請を把握して適正化を促すことで、経費の削減にもつなげられる。
また最近では、社員が所持するスマートフォンのGPS履歴から乗車・降車駅を判別し、一日の経路と運賃を自動で計算できるようなサービスと連携するワークフローツールも出てきている。あらかじめ計算が終了しているため、月末入力を平均8割も削減するとともに、訪問履歴が地図データに残っているため不正な交通費の請求を防止することにもなる。約300人の企業で導入した場合、1カ月約53万円の削減効果があるという。
業務で扱う全ての書類を電子化するのはまだまだ困難であるし、場合によっては従来の運用方法を変えるよりも、以前と同様に紙に出力して保管した方が便利なケースも多い。かといって紙の書類とデジタルな書類の双方が混在して回覧されるというのはあまりにも非効率的だ。
そこで、ワークフローツールで回覧する書類に電子押印を行い、専用の2色プリンタで出力できるような連携製品もある(図5)。これにより、押印処理の効率化と、トナーコスト削減が期待できる。保管されているのが電子文書であっても、電子印鑑との組み合わせにより紙の文書と同様の運用方法で導入できるのがポイントだ。
ちなみに電子印鑑とは、WordやExcel、PDFファイルなどの文書に「押印」できるうえ、その後ファイル改ざんが行えない防止機能が付いたデジタルな印鑑だ。印鑑の裏側には、いつ誰がどういった環境で押印したのかといった情報が埋め込まれているので信頼度とトレーサビリティが高い。
また、WordやExcelで作成された帳票ファイルをそのまま添付して申請や承認が行えるため、使い慣れたアプリケーションで入力作業を行え、帳票の拡張や変更などが容易な点も現場の担当者を中心に高い支持を得ているという。
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