スマートグリッド実現に向けて電力需要の予測も大事な要素だ。スマートメーターを用いたBEMSやHEMSの情報と、天候やカレンダーイベント、さらに施設ごとの過去の電力消費量に基づく電力需要傾向などのデータを突き合わせて分析することにより、今後の電力需要量を30分単位で高精度に予測する電力需要予測システムも実用化されている。
電力事業者の発電計画や電力調達計画などに役立てることが可能だ(図3)。
現場の状況を把握する手段は必ずしも数値化された情報ばかりではない。例えば河川の氾濫や土石流・火砕流などの発生予兆を的確にモニタするには、動画や静止画を利用して人間が目で見て判断するプロセスも大事だ。
そこで監視カメラによる映像も統合した監視ソリューションも考えられている。河川の場合なら、水位計の情報とカメラによる動画データをセンターに送り、気温、湿度、風力、気圧などの気象情報などと突き合わせて、予兆を自動的に検知し、必要なら管理者が映像を確認して、避難勧告などに結び付けることができる(図4)。同様の仕組みで、犯罪発生を迅速に検知して被害を最小限に抑えることも可能だろう。
都市圏では駐車場スペースの有効活用が欠かせない。しかし道路状況の少しの違いでほとんと隣接しているような駐車場でも混み方に大きな違いが生まれることもある。空車状況をリアルタイムで通知してくれるサービスは既にあるが、もっときめ細かく、需要予測に応じた料金の変更を行い、空車が多いときには割引料金をカーナビやスマートフォンなどに通知し、高稼働率のときには早期出庫のサービス料金を通知して出庫を促進、入庫には割増料金を設定するといった仕組みにより、収益を上げながら駐車スペースを安定供給するビジネスモデルも提案されている。
駐車場の入出庫の検出と車両画像の取得はセンサーとカメラで行える。入出庫データとカメラ画像から自動認識したナンバー情報をセンターに送ると、センターではデータを分析して最適料金設定を行って登録ユーザーに通知する。駐車場の稼働率や過去データ、近隣のイベント情報、周辺道路の渋滞状況など、各種の過去データやリアルタイムデータを加えて分析すると、当日の駐車場稼働率がかなり正確に予測できる。それに応じて適正な割引料金や割増料金を自動設定することができるわけだ。
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