さまざまな機器とスマートデバイスをWeb技術でつなぐ「デバイスWebAPI」が登場した。オープンソース「GotAPI」動向も含めて最新動向を解説する。
今回のテーマは、さまざまな機器とスマートデバイスをWeb技術でつなぐ「デバイスWebAPI」だ。これから続々登場することが予想されるウェアラブルデバイスや各種ガジェット、IoTデバイスなどとスマートデバイスとの連携になくてはならない通信部分の開発をする代わりに、アプリのコードにはめこめば使える標準APIが登場した。
NTTドコモをはじめ国内大手キャリアなどがこぞって「デバイスWebAPIコンソーシアム」を設立、標準化、普及活動の中心をなすオープンソースの「GotAPI」(ゴットエーピーアイ)は、既にスマホアプリとして利用できる。一体どんな仕組みなのか。
デバイスWebAPIは、各種の外部デバイスをスマートフォンのネイティブアプリ、Webアプリ、ハイブリッドアプリのどれからでも連携できるようにするWeb技術を利用した統一インタフェースのこと(利用例は図1)。
デバイスWebAPIは2014年2月、米AT&Tがスマートフォンを軸にした外部デバイスのWeb APIの標準化をOMA(Open Mobile Alliance)に提案したのが発端だ。通信仕様が異なるさまざまな外部デバイスとスマートフォンとの連携を行う統一インタフェースが必要だという提案にいち早く賛同したのがNTTドコモだ。
実は、ドコモは同様に標準的に利用できるAPI「デバイスコネクトAPI」を独自に作成済みだった。その技術を基に「GotAPI」と呼ばれる標準API仕様が起草され、2015年4月にはOMAで仕様策定が完了、「Generic Open Terminal API Framework Version 1.0(GotAPI)」として公開される運びとなった(図2)。
スマートフォンと外部デバイス接続の標準化という趣旨に賛同する企業が増え、2015年4月30日にNTTドコモ、ソフトバンクモバイル(当時:現ソフトバンク)が共同で「デバイスWebAPIコンソーシアム」設立を発表した。以来、記事執筆時点(2015年11月)までにKDDIなど大手通信業者やメーカー、SIerなど79社が企業会員に名を連ねるようになった。
ウェアラブルデバイスやIoTデバイスは多種多様なものがこれからも登場することが見込まれるが、スマートフォンとの連携が必要とされるケースも増えるはずだ。これに対応するためには、ネイティブアプリの場合にはデバイス個別に連携機能を一から構築する必要があり、開発生産性の面で課題がある。Webアプリの場合にはJavaScript経由での連携が前提になり、W3Cの標準APIが出そろわない限り、利用は限定的にならざるを得ない。ハイブリッドアプリでもネイティブアプリと同様の課題がある。
こうした課題を解決し、外部デバイス利用アプリの開発を容易にするとともに、外部デバイスの開発や普及を促進しようという思いがデバイスWebAPI開発の背景になっている。
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