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» 2015年12月16日 10時00分 公開

売上アップの実例、銀座メガネのタブレット徹底活用術IT導入完全ガイド(3/4 ページ)

[二瓶 朗,グラムワークス]

接客のスキマ時間を使ったeラーニング

 店頭ツールとしてのタブレット導入から数カ月たち、手応えを感じた本部経営陣が次に取り組んだのは、タブレットを使ったeラーニングだった。全社員を対象に手作りの「クイズ形式」で問題を配信。それに回答することで自然と商品知識や販売ノウハウが身につく仕組みだ。

 また、2015年度に入社した新入社員に1人1台ずつiPadを配布した。いわゆる集合型の新人研修は最低限にとどめ、商品知識の学習や研修の振り返りなどをタブレットを使った自習に切り替えたのだ。店頭に立ちつつも来客が途絶えたスキマ時間を使った学習の効率化が狙いだ。なお、集合研修の期間が短縮できたことはコスト削減にもつながったという。

 興味深いのは、新入社員全員にタブレットを配布した理由。それは、店舗に配布されたiPadを新人研修用にも兼用してしまうと、先輩社員に気兼ねして手に取りにくいのではないかという経営陣の“親心”である。個人のスキル向上につながることを期待して、しばらくの間、“専用機”として使い続けてもらうそうだ。

見えてきた解決すべき問題点

 導入初期には各店舗につき1台だったiPadだが、反響の良さから一部の店舗では追加配布を行っている。新人社員用のiPadも加えると、その台数は1年で倍に増えた。経営者は、次なる課題として「端末の管理」を挙げる。この問題については、モバイルデバイス管理(MDM)ツールの導入などによって解決を目指すそうだ。

 もう1つの課題は、古参社員によるタブレット活用の最大化だ。若手スタッフにはすんなりと受け入れられたタブレットだが、やはり「これまでのやり方」にこだわり、紙ベースの接客を続けるスタッフもいる。そのため、本部では紙による資料配布を一部継続中だ。

 もとより、資料やカタログを全て電子化することまでは計画していないという同社だが、「古参のスタッフも売り上げを伸ばすことの重要性は理解している。若手スタッフがタブレットを使って成果を挙げている様子を見れば、徐々にタブレット利用は浸透していくだろう」と考えているそうだ。

 課題は幾つか残っているが、同社にとってタブレットの導入による販売現場の改革という目的は十分に果たされているようだ。今後は問題解決も進み、タブレットがより活用されることだろう。

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