弥生は、中小企業や個人事業主など「スモールビジネス」における会計業務を進化させ、業務時間を8割短縮させるべく「会計業務3.0」を目指す。
「e-文書法」をご存じだろうか。これはビジネスを行う上で必要な書類を電子化し、保存するための要件をまとめたもので、会計帳簿だけでなく契約書、請求書、領収書などの電子保存が可能となるものだ。
2005年に施行されたe-文書法、その要件には「スキャナーが必要」「領収書は3万円以内」「改ざん防止の電子署名、タイムスタンプが必要」などの制約も多く、これまでわずか133企業のみでしか利用されていなかったという。
その会計業務における電子保存にいま、にわかに注目が集まっている。2016年1月に「スキャナー保存制度」の要件が緩和され、より簡易な方法でも電子保存が利用できるようになったのだ。
会計ソフトを提供する弥生は2016年1月19日、企業の「ペーパーレス経理」を推進するため、新たなキャンペーンを行うことを発表した。中小企業や個人事業主など「スモールビジネス」における会計業務を進化させ、業務時間を8割短縮させるべく「会計業務3.0」を目指す。
弥生では、PCにインストールする会計ソフト「弥生会計」「やよいの青色申告」を販売しており、弥生の独自集計によると現在業務ソフトメーカー別の販売本数シェアは55%という老舗だ。2014年10月にはWebブラウザから利用可能なクラウド版「やよいの青色申告オンライン」もサービスを開始した。
弥生では、PCにインストールする会計ソフト「弥生会計」「やよいの青色申告」を販売しており、弥生の独自集計によると現在業務ソフトメーカー別の販売本数シェアは55%という老舗だ。2014年10月にはWebブラウザから利用可能なクラウド版「やよいの青色申告オンライン」もサービスを開始した。
今回発表した「スキャンデータ取込」機能は、企業のペーパーレス化を進めるだけでなく、自動化が難しかった「レシート」「領収書」を、小さなスキャナーで読み取るだけで仕訳に変換し、作業の自動化を目指すというものだ。
弥生会計における「スキャナー取り込み活用」は2段階のフェーズがある。まずはスキャナー読み込みによる仕訳の自動生成だ。これは弥生の会計ソフトが他のサービスと連携する機能「YAYOI SMART CONNECT」に新たに「スキャンデータ取込」機能を追加することで実現している。一般的なスキャナーを使い、レシートや領収書をスキャンしデジタル化したデータをYAYOI SMART CONNECTを経由し取り込む。この時、画像のOCR処理を行うことで自動で取引データを生成、さらにその取引データを自動で仕訳データにすることで、面倒な入力業務を削減することができる。
この機能では、単なる文字認識だけでなく、レシートに特化した処理も行っているとのことだ。ほとんどのレシートは店名を「ロゴ」化しているため、そのままでは文字認識ができない。そこでレシートの読み取りでは「電話番号」を認識し、そこから店名を検索し、その結果を取引データとして記録する方式を採っている。
さらに、弥生は「スキャナー保存制度」の要件に必要な「タイムスタンプの付与」「証憑(しょうひょう)の検索機能」「承認機能」の提供を2月に開始、さらにはスキャナー保存制度の申請のための支援機能も提供する。これにより、レシート、領収書の原本を破棄することが可能となる。中小企業を含むスモールビジネスでもスキャナー保存制度の恩恵を受けることができるようになり、処理時間はこれまでの年間24時間から5時間へと、8割の短縮が目指せるという。
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