進藤氏が次に紹介したのは、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloud Platformといったパブリッククラウドサービス向けの機能強化だ。
パブリッククラウドは、ハードウェアを調達しなくても迅速にサービスを拡張できるなど、多くのメリットをもたらした。だが、「インスタンスはストレージやネットワーク、ファイアウォールの設定などとひも付いているため、思っているほど簡単にはクラウドサービスを動かすことができない。実はクラウド間の可搬性がなく、サービスにロックインされるという課題がある」(進藤氏)。せっかく、ベンダーロックインを避けるために外に持ち出したワークロードが、再びクラウドサービスにロックインされる皮肉な状況が生まれつつあるという。
これに対しVMwaer NSXは、オンプレミスとパブリッククラウドにまたがり、インフラの差分を吸収する役割を果たすようになる。これにより「ワークロードがポータブルになる」と進藤氏は述べた。さらに、続く動画デモではAWSを例に、トラフィック急増に応じて作成した50ものインスタンスをVMware NSXが提供する仮想ネットワークに引き込み、ファイアウォールをはじめとするさまざまなセキュリティ機能を、オンプレミスと同様の内容で適用できる様子を紹介した。
他にも今後、「vSphere以外のKVM、Hyper-Vといったマルチハイパーバイザーのサポート」「コンテナやCloud Foundryといった新しいワークロードのサポート」「サードパーティーアプリケーションとの連携」といった機能を強化し、パブリッククラウドとオンプレミス環境をシームレスに利用できる環境を整えていくという。「VMwareでは『NSX Anywhere』を掲げ、どこでも使えるようにしていく」(進藤氏)
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