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仮想化技術の普及で浮上した難問「TCO削減」の秘策とは?KeyConductors(1/2 ページ)

サーバ仮想化技術はハードウェアのくびきからITリソースを解放し、柔軟に拡張できるシステムを可能にした。だが運用が煩雑になっていないか。

» 2016年02月05日 10時00分 公開
[キーマンズネット]

 レノボ・ジャパンは、2015年12月に結んだNutanixとの協業を踏まえ、仮想化環境のTCO削減を支援するハイパーコンバージドアプライアンス製品「Lenovo Converged HX Series」を国内でも発表した。

 サーバ仮想化技術はハードウェアのくびきからITリソースを解放し、必要に応じて柔軟に拡張できるシステムを可能にした。だがこの結果、仮想サーバやハイパーバイザー、ストレージといった仮想化システムを構成するスタックそれぞれにサイジングや導入、管理の手間が必要となり、運用が煩雑になっている。こうした背景から、仮想化技術のメリットを享受しながら、運用管理を簡素化し、TCO削減を実現できないかという模索が進んでいる。

 レノボ・ジャパンが2016年1月26日、Nutanix(ニュータニックス)との協業に基づいて発表したハイパー・コンバージド・インフラ製品「Lenovo Converged HX Series」も、その進化の道筋にあるものといえるだろう。難しいことを考えなくても、導入後すぐに使え、無停止で拡張できるシンプルなインフラを目指したアプライアンス製品で、米国では2015年12月に発表されていた。

安田 稔氏(右)と安藤 秀樹氏(左) レノボ・ジャパン 執行役員専務の安田稔氏(右)と、ニュータニックス・ジャパン 日本法人代表マネージングディレクターの安藤秀樹氏(左)

 ハイパーコンバージドインフラとは、専用のストレージ装置を用いる代わりに、ストレージを内蔵した汎用(はんよう)x86サーバをネットワークで接続し、1つのシステムとして扱えるようにしたものだ。

 サーバと共有ストレージをSANで接続するのではなく、サーバ内蔵のストレージをソフトウェアで制御し、仮想的に1つのストレージとして扱うことで構成を簡素化し、拡張性も確保している。その先駆けとなったのがレノボが協業するNutanixで、その後VMwareやEMC、HPといった有力ベンダーもハイパーコンバージドインフラ製品を市場に投入している。

 ハイパーコンバージドインフラと対比される存在として、「ハイパー」の付かない「コンバージドインフラ」がある。これはサーバとストレージ、ネットワークといったシステム構成要素を垂直統合型でパッケージ化し、検証済みの形で提供するものだ。ターンキーで導入でき、シンプルな運用が可能なことが特徴だ。

 ただ「どうしても購入金額が高く、そのメリットを享受できるのは大企業に限られていた」とレノボ・ジャパン ソリューションスペシャリスト部 部長の早川哲郎氏は指摘する。Lenovo Converged HX Seriesは、コモディティ化されたハードウェアとSoftware Defined Storage(SDS)技術の組み合わせにとって、仮想化システムのTCO削減というメリットを、より幅広い層に提供していくと述べた。

Lenovo Converged HX Series Lenovo Converged HX Series
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