プロジェクターや3Dカメラを搭載した新しいThinkPadシリーズ X1ファミリー。ThinkPadは今後どうなるのか。
レノボ・ジャパンは2月16日、プレミアムモデルの「ThinkPad X1ファミリー」4製品の新製品発表会を開催した。「Lenovo X1 Premier Collection」と銘打った発表会の会場には、新製品とともにIBM時代から引き継いだThinkPadの歴代のモデルを展示。Thinkシリーズのフラッグシップ製品である「X1」シリーズへの進化の過程が分かる構成となった。
Thinkシリーズの初代モデル「ThinkPad 700c」が登場したのは1992年。ノートPC研究開発の拠点だった神奈川県大和市の「大和研究所」で生まれた(現在では「みなとみらいセンタ−ビル」に移転)。日本人の手によって産声を上げたThinkシリーズは「人々の生産性を高めていくため、究極のツールとしての進化を遂げている」と留目真伸社長は解説する。
2014年には累計出荷台数1億台を達成。2016年度の第3四半期にはグローバルで過去最高の21.6%のシェアを確立し、日本市場でもNECレノボ・ジャパングループが第2四半期に過去最高の29.4%のシェアを獲得するなど、レノボがリーダーシップポジションを維持し、成長していることをアピールした。
「日本のモノ作りを結集した製品で、ストレス無く使えてモビリティにも優れ、人々のイノベーティブなマインドを刺激する仕上がりになっている」と留目氏が紹介したのが、今回、発表された「X1ファミリー」だ。
そのデザインについてレノボ本社チーフデザインオフィサーのデイビッド・ヒル氏によって語られた。彼はIBM時代から一貫してThinkシリーズの工業デザインを指揮してきた人物だ。
まず、ドイツの工業デザイナーであり、ThinkPadのデザインコンセプトの生みの親でもあるリヒャルト・ザッパー氏の言葉である「時間は物の真価を証明できる数少ない1つである(Time is one of the few things that may ultimately establish the true quality of an object.)」を紹介。ヒル氏もその意見に賛同を示し、2015年12月31日に亡くなったザッパー氏に哀悼の意をささげた。
ThinkPadの黒い筐体と赤いトラックポイントというデザインは、松花堂弁当の箱にインスピレーションを受けたもの。誰が見てもThinkPadだと分かるこのデザインは、1992年の誕生から24年たった今でも本質的に変わらない。
「アートはそれ自身が完全なフォルムを見つけたアイデア(Art is an idea that has found it’s perfect form.)」という、アメリカのグラフィックデザイナー、ポール・ランド氏の言葉や、「デザインは単にアートではなく、機能の優雅さである(Design is not simply art , it is the elegance of function.)」という、ポルシェデザイン創業者のF.A.ポルシェ氏の言葉を引きながら「完璧な形と機能性を兼ね備えたデザインは感動を生む」と結論づけた。
その上で「X1ファミリーのデザインはアートの領域にある」とヒル氏。Think製品はこれまでのデザイン哲学を踏まえ、「将来の展望に向けてただ変わるだけでなく、より完璧さを追求していかなくてはいけない」とまとめた。
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