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本当に“最適化”できているか? あらためて見直すクライアント環境IT導入完全ガイド(2/4 ページ)

» 2016年03月07日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]

VDI(仮想PC)方式の特徴

 VDI方式は、サーバ内に仮想PC(VM、Virtual Machine)を多数作り、ユーザーが専用の仮想PCにアクセスする方法だ。ユーザーの手元デバイスには画面表示と入出力を行う機能さえあればよい。従来のPC本体がネットワークの向こうにあるというだけのことなので、使い勝手は物理PCとほぼ変わらない。

 VDI方式の仮想PCの作り方には大きく2種類ある。1つは物理PCの環境をそのまま1つの仮想PCとする「フルクローン」タイプだ。こちらはユーザーが自分のPCを自分専用にカスタマイズでき、これまでの物理PCとほとんど同じように使える(図2)。

フルクローンタイプの仮想PC展開イメージ 図2 フルクローンタイプの仮想PC展開イメージ(出典:Citrix)

 もう1つは、標準的な仮想PCを構成してマスターイメージとし、必要な都度マスターイメージをコピーしてユーザーが専用に使えるようにする「リンククローン」(VMwareの技術)や、「MCS」または「PVS」(Citrixの技術)と呼ばれるタイプだ(図3。技術的にはそれぞれ違う)。

 個別ユーザーが行った設定や作成データなどのマスターイメージとの差分情報はVDIサーバ側が管理し、ユーザーを識別して付加する。またアプリケーションは基本的にマスターの標準仮想PCイメージ上に全て入れておくので、アプリケーション統制がしやすい一方、ユーザーの自由にはならない面もある。

リンククローン、MCS、PVSタイプの仮想PC展開イメージ 図3 リンククローン、MCS、PVSタイプの仮想PC展開イメージ(出典:Citrix)

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