IT導入完全ガイド
つまづくポイントはここにあった、デスクトップ仮想化「方式別」に見る導入運用のポイント(3/4 ページ)
仮想PC方式(VDI)は比較的コストは高いがSBC方式よりも自由度が高い
SBC方式と同様のメリットを持ちながら、従来の物理PCに近い運用法が可能なのが仮想PC方式だ。こちらは、業務上利用するアプリケーションの種類が多く、追加や変更の頻度も高い職場により向いている。
ユーザーデバイスとしてはPCを利用する経営企画、マーケティング部門、研究開発部門、モバイルPCやスマートデバイスを活用する営業部門、フィールドエンジニア、主にスマートデバイスを利用する経営層など、幅広い職種や職階で利用できよう。アプリケーションやデータを自由に活用しながら、セキュリティ面に配慮したい場合に好適な選択といえる。主なメリットは次の通りだ。
仮想PC方式のメリット
- 既存PCのアプリケーションがそのまま利用できる(互換性の問題が起きない)
- ユーザーが自己責任でアプリケーションの追加や削除、カスタマイズが可能(自由度が高い)
- アプリケーションの棚卸しや動作検証の必要性がSBC方式よりも低い
- 外部デバイスの利用制約が比較的少ない(例えばドングルや一部カードリーダーなどのポートレベルリダイレクトを利用するデバイスなど、SBC方式では使用できないものも一定条件で利用可能)・仮想PC個別にGPUなどのリソース割り当てができるのでパフォーマンスが出やすい
- イントラネット内のデータにアクセスするアプリケーションを使う仮想PCと、アクセスしない仮想PCとが明確に分離できる(アプリケーション別のセグメント分離によるセキュリティ強化)
- クライアントデバイスは適宜選べる(スマートデバイスなど対応モジュールがインストールできるデバイスなら何でも可能)
アプリケーション対応や外部デバイス利用の柔軟性と、GPUなどのリソースがユーザー個別に利用できるところがSBC方式との大きな違いだ。GPUの利用などはかつてのデスクトップ仮想化製品では難しかったのだが、最新製品では合理的な割り当てが可能なので、例えば「3D CAD」のような「重い」アプリケーションを走らせる仮想PCを在宅勤務の従業員が利用するようなワークスタイルも実現するようになった。情報漏えいを防止しながら、育成が難しいスキルを持った人材を有効に活用できるのは仮想PC方式ならではの利点だろう。
一方、「オンラインでなければ利用できない」「画面サイズが小さいデバイスではデスクトップが利用しにくい」のはSBC方式と同様だ。それに加えて次のような点を考慮する必要がある。
仮想PC方式の注意ポイント
- 物理PCの性能がSBC方式よりも求められる
- ユーザー個別に仮想PCを用意するため、その分のストレージ容量が必要(ストレージ容量の問題)
- 同時接続が集中する場合の処理遅延が大きくなりがち(ストレージIOPSが主な問題)
- アプリケーション統制が効きにくい(ユーザー個別責任でのアプリケーション利用が可能)※プロビジョニング機能を使用すれば、OSごとにアプリケーション統制をすることは可能。
- クライアントライセンスコストがSBC方式に比較して高くなりがち(Microsoft Client SAまたはMicrosoft VDAライセンスが選べるが、大半のケースでMicrosoft RDS CALに比較して高額)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
IT導入完全ガイド
注目の技術やITツール。そもそもどういったモノで何に使えるのか、どんなモノを選ぶべきか、課題はあるか、といった情報を基礎から徹底解説します。
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Copilot案件」が急増、1年半で13倍に フリーランスに求められるニーズの変化
-
2
PostgreSQLより1.81倍高速? 開発者がSQLの実行を小型AIに丸投げしてみた結果:898th Lap
-
3
証券口座を狙う不正アクセス、光世証券が「パスキー」に切り替えた理由
-
4
資料作成が月32時間から4時間に トラコムが生成AIで「月28時間削減」した方法
-
5
あいち銀行が経理DXを本格化 LayerXと「請求書受領から振込まで」をつなぐ
-
6
自治体、企業で進む「Google回帰」 事例で分かる「Gemini Notebook」の活用アイデア
-
7
「完璧な議事録」が仕事を遅くする 中小企業AI活用協会の専門家に聞く議事録AIの効果的な使い方
-
8
AI同士が取引する時代、「相手は誰か」をどう確認する? GMOが信頼基盤を実証
-
9
人口減少で採用難の鳥取県、「辞めない職場」をデータでどう作る?
-
10
ChatGPTやCopilotから直接翻訳 「DeepL」のMCP対応で多言語業務はどう変わる?
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー