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デスクトップ仮想化でコスト抑制する奥の手とは?IT導入完全ガイド(1/4 ページ)

「仮想PC方式」のデスクトップ仮想化で障壁になりがちなコスト課題。ストレージやライセンスコストの削減、運用管理工数を削減する、DaaS利用などコスト抑制策を考える。

» 2016年03月09日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]

 今回はデスクトップ仮想化の中でも仮想PC方式の主要な導入障壁になっているコストを抑制する策について考えてみる。シンプルにPC環境を仮想PCに移行する以外に、標準的なPC環境をマスターイメージにしてリンククローン、PVSを利用する方式と、運用管理工数を削減する機能およびDaaSの利用メリットと注意点について解説する。

予算超過で期待外れにならない仮想PC導入方法

 システムコストと運用管理コストでデスクトップ仮想化方式を選ぶなら、SBC(サーバデスクトップ共同利用)方式が得策だ。ケースにもよるがストレージ容量は10分の1以下、メモリ容量も数分の1以下にできる可能性がある。ライセンスコストも比較的低額だ。

 運用管理もそれほど複雑化することはなく、実機検証を含む事前準備のコストを相殺しても余りあるコストメリットが得られるだろう。だがサーバOSとマルチセッションに対応するアプリケーションしか使えないことと、ユーザーが求める性能要件に個別対応できないところが問題だ。現在ではより柔軟に使える仮想PC方式(VDI)が注目されることのほうが多いようだ。

 仮想PC方式でシステムコストの半分程度を占めるのがストレージコストだ。IOPSの確保がコスト増加の主な要因になる。ここで注意したいのは、I/Oが集中するのは起動時、ログイン時、ログオフ時と限られたタイミングであることだ。

 「ブートストーム」「ログインストーム」「ログオフストーム」と呼ばれるバースト状態が特定時間帯に発生し、その時間帯の業務はレスポンスが低下してしまう。ひどい場合はログインに数十分かかり、その間心配になったユーザーが再起動してしまい、ブートストームを重ねて発生させるようなこともかつてはあった。これが「デスクトップ仮想化の失敗例」として紹介されることで、導入をためらった企業もあるかもしれない。

 現在の導入企業では、運用の基本として仮想PCは常時起動したままにすることが多く、ブートストームは問題にならなくなっており、ログオフ時間も時間差があることが多いので問題になることは少ないようだ。

 ログインストームは相変わらず問題だが、システムのサイジングをその時間帯のIOPSに合わせることで、問題を発生させないようにしている。逆に言えば、バースト時の性能を把握しないまま通常業務時の負荷をベースにサイジングしてしまうと、業務停滞を引き起こす可能性が高い。

 では、ログインストームによる業務停滞を引き起こさず、コスト面でも適正な仮想PC方式導入はどのようにすればよいのだろうか。

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