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情報システム部門が抱える情報共有とナレッジマネジメントの課題(2016年)/前編IT担当者300人に聞きました(2/2 ページ)

» 2016年04月07日 10時00分 公開
[キーマンズネット]
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ITツール導入のきっかけは企業規模によって異なることが明らかに

 次に、「情報共有の取り組み範囲」を聞いた(図2-1)。その結果、「全社的に取り組みを行っている」が71.4%、「部門やグループ、プロジェクトなど一部の組織で取り組みを行っている」が34.0%、「支店や事業所など一部の拠点で取り組みを行っている」が6.8%だった。

 合わせて「情報共有に関する取り組みを行い始めたきっかけ(図2-2)」を尋ねてみると、1位が「打ち合わせスケジュールなどの調整を簡易に行いたい」で30.4%、2位が「社内のコミュニケーションを活発化させて、社内の雰囲気を良くしたい」で24.8%、3位が「提案書や説明資料など文書ファイルの共有による文書作成時間の削減を行いたい」で24.3%と続いた。

 従業員規模別で見ると、1001人以上の大企業では「社内のコミュニケーションを活発化させて、社内の雰囲気を良くしたい」が最も多かった(27.4%)のに対して、100人以下の中小企業では「打ち合わせスケジュールなどの調整を簡易に行いたい」が最も多く(36.5%)10ポイント以上上回っていることが挙げられる。つまり、「スケジュール調整を簡単にする」ということが中小企業までは情報共有について最も求められていることが分かった。

情報共有の取り組み範囲、情報共有に関する取り組みを行い始めたきっかけ 図2 情報共有の取り組み範囲、情報共有に関する取り組みを行い始めたきっかけ

スケジュール共有以外では、期待が結果を大きく上回る結果に

 最後に「ITツールを利用・導入する上での期待」を聞いてみた。その結果、1位が「業務知識やノウハウの共有・活用がしやすくなること」で72.8%、2位が「スケジュール共有が容易になること」で63.1%、3位が「規則やマニュアルなどが探しやすくなること」で51.0%と続いた。

 2014年に行った前回調査では、ITツールのメリットとして、「スケジュール共有が容易になった」が71.5%、「業務知識やノウハウの共有・活用がしやすくなった」が51.3%であった。「期待」と「結果」とでは第1位と第2位が入れ替わることとなり、知識継承にも徐々に使用されていることが分かった。

 前編では、企業におけるITによる情報共有の状況について、「導入しているツール」「導入にあたっての期待」などをレポートした。後編では、「導入後の満足度」や「導入後の問題点・課題」などについて具体的なフリーコメントとともに紹介する。

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