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笑顔じゃないと「出禁」になる? クラウド型勤怠管理ツールの選び方IT導入完全ガイド(1/4 ページ)

多様な労働形態に対応し、勤務状況をリアルタイムに把握する勤怠管理ツールも種類が豊富だ。導入済みの勤怠管理ツールを更新するかリプレースするか、はたまた新規導入か使い分けか。ツールの選定ポイントを紹介する。

» 2016年04月13日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]

 多様な労働形態に対応し、勤務状況をリアルタイムに把握する最新勤怠管理ツールが、企業のコンプライアンス強化に役立つ、本稿では勤怠管理ツールのどこに注目して選ぶべきかを解説する。基本的には導入済みの勤怠管理ツール運用を見直しグレードアップかリプレース、または新規導入か、適材適所で別のツールを併用するかという選択になるだろう。その場合、オンプレミスの構築、改修、リプレース、クラウドサービスの利用などが検討すべき選択肢になる。

オンプレミス構築用パッケージか、クラウド型サービスか

 かつてのように決まった職場に全員が定時に出社し、定時に退社することを前提にした勤怠管理方法は完全に時代遅れだ。時間計算の自動化程度なら既存の勤怠管理システムの改修で済むかもしれない。しかしタイムレコーダーに物理的にタッチできない直行、直帰中心のモバイルワーカーや在宅勤務者、ごく小規模なサテライトオフィスなどのテレワーカーには既存システムがうまく対応しない場合がほとんどだろう。

 また古いツールでは最新の法令に準拠していなかったり、出力帳票やアラート発報が合理的な形で対応できていなかったりと、現在の管理方法と食い違いがある場合もある。紙のカードのデータを入力、表計算ソフトで集計している場合なら、恐らくもう担当者の負荷が限界に達しているのではないだろうか。

 そこでまず既存勤怠管理システムを残すかどうかが1つの重要な意思決定になる。既に運用に慣れた既存ツールを利用する方が、コスト効果や運用性が高いという判断をする場合には、最新のあるいは近未来の労働環境に対応できていない部分をどうするかが問題だ。

既存ツールのバージョンアップで対応できない部分をSaaSでカバー

 ツールベンダー側で機能拡張を行っていて対応済みの場合なら簡単で、最新バージョンに移行するだけだ。後は打刻方法などを考えて必要なデバイスの導入(スマートフォン導入、BYOD実施、モバイルPC利用など)を行い、従業員に新しい打刻方式の意義や使い方を教育すればよい。

 ただし基本的に出社しない従業員を管理する場合には、外部ネットワークを介した通信による打刻データの送受信が必要な場合が多くなる。オンプレミス型ツールの中にはスマートフォンなどのモバイルデバイスや自宅PCなどからの打刻を受け付ける機能を付け加えたものがあり、そうしたツールを利用してきた場合なら、ネットワーク環境と運用ポリシーが合致しデバイス管理の問題さえクリアすれば、スムーズに新たな打刻方式を導入できるだろう。

 このためだけにリモート接続システムを構築するのは少しハードルが高いという場合、そしてそれほど対象となる従業員が多くない場合には、対象従業員だけが使用するSaaSを利用した方が有利な場合がある。SaaSであってもデータを汎用(はんよう)的なCSV形式でエクスポート可能であり、CSV形式データを受け取れるシステムなら連携構築は比較的容易だ。

 また著名な給与管理ツールや勤怠管理ツールを連携相手として、APIを利用してリアルタイムにデータ連携できる機能を持つものもある(図1)。どのような連携機能が標準で備わっているのか確認し、既存環境にふさわしいものを選ぶと良い。

図1 クラウド型サービスの他システム連携のイメージ 図1 クラウド型サービスの他システム連携のイメージ(出典:アマノビジネスソリューションズ)
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