最後に、「ITツールの運用・推進における重要なポイント」を聞いたところ、「社内コミュニケーション・情報共有に対する従業員の意識向上」が55.9%で唯一半数を上回り、次いで「社内コミュニケーション・情報共有を推進するための体制の確立」が40.2%、「情報漏えい対策」が39.4%、「書き込み事項や共有内容などのルール作成」が37.9%、「社内コミュニケーション・情報共有に対する経営層の意識向上」が31.1%の順となった。
項目ごとの違いに着目してみると、「従業員の意識」と「情報漏えい対策」には企業規模や業種の差がほとんど見られないのに対し、「経営層の意識」については規模の大きい企業ほど重要視されている。やはり、大企業ほど経営層からの了をかかわるハードルが高いことが本調査で伺えた。
以上、前後編の調査結果をみると、ITによる情報共有において、ITツールの運用・推進には、日常的に使用するための利用目的や、企業努力が必要なことが分かった。今回、導入ツールとして挙がった「イントラネット」や「グループウェア」「文書管理ツール」などのIT製品に関しては、本来の利用目的の他にも情報・ナレッジ共有としても使用することが可能だ。本調査で挙げられた問題点や課題を社内で振り返りIT製品をうまく利用していくことが、今後、情報共有における課題解決に結び付くのかもしれない。
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