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専用ツールだから簡単にできる「マニュアル作成ツール」のいろはIT導入完全ガイド(2/4 ページ)

» 2016年05月30日 10時00分 公開
[吉村哲樹オフィスティーワイ]

普段の操作を行うだけで自動的にマニュアル作成

 一般的に業務マニュアルを作成する際に用いられているWordやExcel、PowerPointといった汎用(はんよう)のOfficeアプリケーションとは異なり、業務マニュアル作成ツールはその名の通り、マニュアル作成に特化して設計・開発された製品だ。その機能を活用することで、前項で挙げたような業務マニュアル作成・運用にまつわるさまざまな課題を解決できる。代表的な機能や利用法を紹介していこう。

 業務マニュアル作成ツールには幾つかのタイプが存在するが、最も一般的なのがシステムの操作画面(スクリーンショット)を自動的に取り込み、マニュアルの形に半自動的に成型するものだ。ユーザーが普段通りのシステム操作を行う間、ツールがバックグラウンドでキーボードやマウスの操作情報を検知し、操作が行われた瞬間のスクリーンショットを自動的に記録する。ユーザーが操作を終了すると同時にマニュアルのひな型が出来上がっているわけだ。

図1 説明文の自動配置機能 図1 説明文の自動配置機能 ユーザーがテキストを入力することなく「[OK]ボタンをクリックしてください」という説明文が加わっている(出典:ブルーポート)

 こうした機能を活用すれば、業務マニュアル作成のためにわざわざ時間を割くことなく、普段の作業を行う「ついで」にマニュアルも作成できる。また、業務マニュアルの大半の部分をツールが自動的に作成してくれるため、作業担当者によって制作物の品質にばらつきが生じにくく、現場ユーザーにとって使いやすい業務マニュアルを確実に提供できる。

コラム:マニュアル作成ツールの工数削減の実力

 業務マニュアル作成ツールを使うと、WordやPowerPointにスクリーンショットを切り貼りする従来のマニュアル作成作業の工数はどの程度削減できるのだろうか。

 実際にツールを活用した企業に聞くと「1時間かかっていたマニュアル作成作業を10分で終えられるようになった」「3人で2週間かかっていたコンテンツ制作作業が、1人が半日間でこなせるようになった」という。また、これまで外部の専門業者に委託していたマニュアル作成作業を内製化し、コストや時間の大幅圧縮に成功した事例も多い。

 ただし業務マニュアル作成作業は、現場の業務担当者が本業の傍らに行うことが多く、工数や負担の実態が見えづらい。従ってツール導入の費用対効果を事前に評価するためには、現時点で業務マニュアル作成・運用にかかっている「目に見えない工数」を洗い出して、可視化することが先決だ。

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