勤怠管理ツールを導入したのに「かえって人事や総務の作業が増えてしまった」とならないように、最低限おさえておきたいチェック項目を整理する。
労働基準法の順守はもちろん、従業員の健康管理のためにも、しっかりとした労務管理が求められる中、勤怠管理ツールを導入、検討する会社も多くなっています。さまざまな製品が提供されていますが、なんと言っても全従業員が日常的に使用するものです。使い勝手の良さ、分かりやすさ、そしていろいろな働き方に対応できる事が求められます。
せっかく勤怠管理ツールを導入したのに、使い方の問合せに追われたり、実情に合っていないことが発覚したりして「かえって人事や総務部門の作業が増えてしまった」ととならないように、自社に向いた勤怠管理ツールを選ぶポイントとして最低限おさえておきたい5つを紹介しましょう。
まず、全従業員が使うものになりますから、デジタルツールに詳しくない人でも操作しやすい、シンプルで操作性に優れた勤怠管理ツールを選ぶ必要があります。また直行直帰のスタッフが多い職場では、スマートフォンを活用することが現実的ですからモバイル対応は必須ですし、スマホ画面での使い勝手も知る必要があります。
また、人事部や総務部などの業務部門においても、これまで勤務データをExcelで管理してきた場合などでは、大きく操作環境が変わってしまうと慣れるまでが大変です。むしろ「Excelによく似た」操作環境の勤怠管理ツールを選ぶことで、今までの業務からスムーズに移行することができるでしょう。
これまでタイムカードで勤怠管理を行っていた職場では、勤務時間の「打刻」にどんなデバイスを用いるのが現実的か検討しましょう。
「タイムカードの不正打刻」を防止するために勤怠管理ツールを導入したいと考える会社も少なくありません。そのような場合では、不正な打刻が困難なICカードや指紋認証、静脈認証を「打刻デバイス」として使用し、勤務データを収集・管理しましょう。また直行直帰のスタッフが多い職場、あるいは在宅勤務を活用していきたい職場においては、スマートフォンなどのスマートデバイスを「打刻デバイス」として利用するのが便利です。スマートフォンの位置情報(GPS)を取得して、業務を開始・終了した場所と時間をひも付けることで、より厳密に不正打刻を把握することも可能です。
労務関連の法制度は頻繁に改正が行われます。そのため法令改正にスムーズに対応できる勤怠管理ツールを選ぶ必要があります。そのサポートを手厚く行ってくれるかどうかも選択ポイントでしょう。
また、クラウドタイプの勤怠管理ツールであれば、法改正に合わせて自動的に対応してくれますので利用者側の手間は少なくて済みます。
今までExcelで管理していたような事業所であれば、そのデータをそのまま生かせるのか?あるいは勤務データを別の給与会計システムと連携できるのか?また今後新たな機能を使いたいときなどに拡張性が十分にあるのか?なども大きな選択ポイントとなります。
費用面を考えると、従業員の多い大企業では、初期費用が多少かかっても、ランニングコスト面を考えるとお得なのがオンプレミスタイプです。さまざまな機能が準備されていますし、その会社独自のカスタマイズも行えます。自社内のシステムに置いておくわけですからセキュリティ面でも安心です。
一方、従業員がそれほど多くない中小企業では、初期費用があまりかからず、機能面がある程度絞り込まれており、運用も優しいクラウドタイプが有望でしょう。クラウドタイプには、上記の「法令対応」に関わるバージョンアップを自動的に行ってくれるメリットがあります。
しかし何と言ってもクラウドタイプの大きなメリットは「無料試用期間」を設けた製品が多く「使い勝手」を実際に試して見ることができることです。「使い勝手」は一番大切なポイントで、このようなツールは実際に使ってみないと分からないことが多々あるのです。現場で試用してから採用判断を行うことができるのは大きなメリットとなります。
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