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SCMの導入状況(2016年)/後編IT担当者300人に聞きました(3/3 ページ)

» 2016年07月14日 10時00分 公開
[キーマンズネット]
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大企業は新技術を使った最適化、自動化に意欲

 最後に、今後「SCMで採用したい機能(複数回答)」として、現在の最新IT技術との組み合わせについて聞いたところ、図3のような結果になった。

 企業規模別と全体を比べてみると、企業規模が大きくなるほど項目の選択数が多くなる傾向があり、大企業では「ビッグデータ」などの新しい技術の活用による最適化、自動化に注目が集まっているようだ。また、リアルタイムでのシナリオ検討機能やBI機能といった、実行計画の精度向上につながる機能への関心も高いことが分かった。

 オンライン、オフラインを含む、多様なチャネルを活用したオムニチャネルマーケティング基盤への関心は17.5%程度だったが、やはり流通・小売業の回答者の関心は依然として高いことがうかがえる。

 また、IT製品関連・ITサービス業では、全体と比べて「クラウドを使って運用を効率化する機能」に対する採用意欲が相対的に高くなっている。サンプル数が少ないため参考値だが機械製造業では、「BI(Business Intelligence)による可視化」「BOM(Bill of Materials:部品表)やPDM(Product Data Management:製品データ管理)、PLM(Product Lifecycle Management:製品ライフサイクル管理)との連携」の採用意欲が相対的に高くなった。

今後導入を検討する「SCM」で重視するポイント(複数回答) 図3 今後導入を検討する「SCM」で重視するポイント(複数回答)

 前編では、SCMの基盤を有している企業は少数派だが、「基盤を有している」「一定の整合性がある」が40%近くを占めていることが分かった。しかしながら、これらのうち「数量や財務情報を報告・共有している頻度」については、「見直していない」が27.4%に上り、「月に一度以上の頻度で見直しを行っている」は24.0%にとどまっていることが明らかになった。

 後編では、「サプライチェーン管理における問題点」として、導入コストの割に「時間がかかり過ぎる」「精度が低い」といった意見が根強いことが明らかになった。この他、導入の必要性を感じない群では、費用対効果が不明瞭であることや導入にかかる人的コストが課題となっているという意見が見られた。

 今後「SCMで採用したい機能」としては、大企業においては、「ビッグデータ」や「機械学習」を使った自動化や最適化への期待が高かった。また、リアルタイムでのシナリオ検討機能やBI機能といった、実行計画の精度向上につながる機能への関心も高いことが分かった。

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