キーマンズネット会員368人を対象にアンケート調査を実施した。サプライチェーン管理(SCM)ツール導入後に分かった課題とは?
キーマンズネットでは、2016年5月12日〜同年5月30日にかけて「SCMの導入状況」に関するアンケートを実施した(有効回答数368件)。回答者の顔ぶれは、業種別では「IT製品関連・ITサービス業」が38.9%、「電気・電子・OA」が10.3%、それら以外の業種が50.8%を占め、企業規模別では大企業が39.9%、中堅企業が38.3%、中・小企業が21.7%という構成比だった。
前編では、SCMの導入状況について、「所属する組織はサプライチェーンの中でどの位置にあるか」「サプライチェーン情報と財務情報はどの程度連携しているか」「サプライチェーン管理部門と他の部門とはどのくらいの頻度で数量や財務情報を報告・共有しているか」などをレポートした。
SCMの基盤を有している企業は少数派だったが、SCMを持つ回答者では、財務情報とサプライチェーン情報をつなぎ合わせるための「基盤を有している」「一定の整合性がある」が3分の2近くを占めていることが分かった。だが、「数量や財務情報を見直す頻度」については、「見直していない」が27.4%に上り、「月に一度」以上の頻度で見直しを行っているのは24.0%にとどまることも明らかになった。
後編では、より具体的に「サプライチェーン管理における問題点」「導入済みのSCMの満足度」「SCMで採用したい機能」などを明らかにする。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があることを事前にご了承いただきたい。
まず、「SCMを導入する際に重視したポイント」について、1位から3位までを選んでもらったところ、全体(1位から3位までの合計)では「生産計画の精度が向上(56.9%)」「製造・販売・在庫情報の連携(56.9%)」「在庫管理の品質向上(50.8%)」の3項目が5割を超え、以下「予算と実績のギャップ把握(36.9%)」「経営に影響する情報把握の効率化(32.3%)」「納期回答の精度が向上(27.7%)」の順となった。
一方で、1位のみに着目すると、全体では1番が「在庫管理の品質向上」(29.2%)、2番が「製造・販売・在庫情報の連携」(26.2%)となっており、SCMの導入に当たっては在庫・仕入れのコントロールが第一義的な目的となっていることが分かる(図1)。
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