次に、コスト管理も大事なポイントだ。クラウドサービスのほとんどがリソース使用量によって課金するビジネスモデルをとっているため、利用状況の監視と統計は極めて重要となる。理想的には、部門単位、プロジェクト単位でどのクラウドのリソースをどれだけ使っているのかを迅速に把握したい。
つまり、マルチクラウド運用管理ツールを使うべき2つ目のメリットは、契約条件と実際の利用状況の差を可視化できることだ。過剰なコストを発生させている場合には契約を適正化したり、業務内容と照らし合わせて必要以上に高い品質のサービスを使っている場合には他クラウドへの移転を含めて契約を再考したりできるだろう。ツールによってはプライベートクラウドやパブリッククラウドだけでなく、オンプレミスシステムも含めてインフラ全体を把握できるようになる。
複数のクラウドサービスを利用していると、同じ内容を意味しているにもかかわらず、それぞれのサービスで微妙に言いまわしが異なっているケースを目にすることもあるだろう。「慣れ」の問題かもしれないが、クラウドサービスによって異なる“方言”をマルチクラウド運用管理ツールで吸収して統一することは運用管理を容易にする1つのポイントになり得る。
大企業であればともかく、全ての企業で潤沢な運用人員を確保できるわけではない。その企業が利用している全てのクラウドサービスに精通していない管理者にとっては、用語が異なることで混乱が生じてしまう可能性もある。オペレーションミスを犯さないようにするためにも用語の統一は重要なのだ。これは、マルチクラウド運用管理ツールを使うべき3つ目のメリットといえるだろう。
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