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「Microsoft 365」と「Google Workspace」の利用状況(2023年)/前編

円安や社会情勢などの影響から国内で次々に価格改定が発表され、企業も慎重な姿勢を見せる。今回のMicrosoftとGoogleのオフィススイートに関するアンケート調査では、「コスト」に目を向けて、調査結果を紹介する。

» 2023年02月16日 07時00分 公開
[キーマンズネット]

 国内で値上げラッシュが続く中で、Microsoftは日本円の為替変動に伴って2023年4月からMicrosoft製品の法人向けライセンスおよびサービス価格を引き上げると発表した。オンプレミス製品で20%、オンラインサービスでは15%の引き上げ幅となる。Microsoft 365への影響については現時点では確かではないが、2023年4月以降にMicrosoft 365の契約更新を控える企業や、新規契約を予定している企業は、今後の動向を注視したいところだ。

 この状況を受けて、キーマンズネットが実施した今回の「Microsoft 365」と「Google Workspace」に関するアンケート調査では、利用状況に加えてコストについても尋ねた(実施期間:2023年1月20日〜2月3日、回答件数:441件)。前編となる本稿では、Microsoft 365とGoogle Workspaceの利用割合、勤務先で契約しているプランと月額料金について尋ねた結果を紹介する。

M365は3.6ポイント、Google Workspaceは1.8ポイントの伸び

 まず、現在業務で勤務先で利用するオフィススイートを尋ねたところ、「Microsoft 365」が46.7%と最多で、続いて「Microsoft Office(パッケージ型)のみ」が17.5%、「Microsoft Office(パッケージ型)とMicrosoft 365を併用」が17.0%となった(図1)。

図1 勤務先で利用するオフィススイートおよびオフィスツール

 2022年4月に実施した調査と比較すると、Microsoft 365の利用割合は3.6ポイント、Google Workspaceは1.8ポイントの伸びであった。一方で、「Microsoft Office(パッケージ型)」の割合は3.4ポイントと減少傾向にあった。

 Microsoft Office(パッケージ型)からMicrosoft 365などのクラウド型オフィススイートへの移行の有無について、2022年の調査では「移行予定」「検討中」は約2割にとどまり、半数が「移行の予定なし」と回答した。継続的に発生するコストや通信回線に左右されることへの懸念が強く、SaaSシフトが進む一方で慎重な姿勢を見せる企業も一定数存在することが分かった。

M365とGoogle Workspace、月額コストの平均相場は?

 Microsoft 365の主な購入経路は、ベンダー直営のWebサイト「Web Direct」で購入する方法と、CSP(クラウドソリューションプロバイダー)認定を受けたリセラー経由で購入する方法の2系統がある。後者ではボリュームライセンス契約によって割安で購入できる場合もあり、Google Workspaceも同様だ。

 購入経路によってはライセンス料金に差が出ることも考えられるが、利用料金のおおよその相場を知るために、勤務先で契約するライセンスプランについて、Microsoft 365とGoogle Workspaceにおけるユーザー当たりの月額料金を尋ねた。

 回答者に対して「1000円未満」「1001〜1500円」「1501〜2000円」「2001〜2500円」「2501〜3000円」「3001〜5000円」「5001円〜6000円」「6000円以上」の中から、選択式で尋ねた結果を紹介する。

 Microsoft 365のユーザー当たりの月額料金は「1000円未満」(14.1%)が最多で、次いで「1001〜1500円」(13.7%)、「1501〜2000円」(10.9%)と続き、約半数が「3000円未満」とした。

 Microsoft 365では、大企業向けプラン(F3を除く)の中でも安価な「Microsoft 365 E3」は年間契約の場合ユーザー当たり月額3910円(本稿公開時点のWeb Directでの購入価格、税別)だが、調査結果を企業規模別で見ると、5001人以上の大企業では「1000円未満」が最多となった。1001〜5000人の企業では「1001〜1500円」とした割合が最も高い結果となった。

 Google Workspaceのユーザー当たりの月額料金は「1000円未満」(23.9%)が最多で、「1001〜1500円」(19.7%)、「1501〜2000円」(8.5%)と続いた。Microsoft 365と比較するとGoogle Workspaceの利用料金は安価な価格設定で、全体を見ると「2000円以下」が半数を占めた。

 なお、Googleも2019年4月に機能追加による価格改定を実施したが、それ以降価格改定の報告は聞かれていない。

Microsoft 365、Google Workspace、人気のプランは?

 次に、Microsoft 365とGoogle Workspaceについて、勤務先で契約するライセンスプランについて尋ねた結果を紹介する。

 Microsoft 365では「Microsoft 365 E3」が最多で21.4%、「Microsoft 365 Business Standard」(19.8%)、「Microsoft 365 Business Basic」(13.7%)という並びになった(図2)。

図2 勤務先で契約している「Microsoft 365」のプラン

 従業員規模別に見ると、従業員数100人以下の中小企業ではMicrosoft 365 Business StandardやMicrosoft 365 Business Basic、Microsoft 365 Apps for businessに、1001人以上の企業ではMicrosoft 365 E3やMicrosoft 365 E5に回答が集まる結果となった。

 前述の通り、1001〜5000人の企業におけるユーザー当たりの月額料金のボリュームゾーンは「1001〜1500円」だったが、1001人以上の企業でハイエンドプランに回答が集中した結果を踏まえて考えると、回答者の企業ではボリュームライセンスプログラムなどを使ってパートナー経由で契約している可能性も考えられる。

 Microsoft 365 E3以上のプランには「EMS」(Enterprise Mobility+Security)と呼ばれるクラウド型端末管理サービスが付帯され、高度なセキュリティ機能を望むか否かで回答が分かれる結果となった。

 続いてGoogle Workspaceでは「Business Standard」が43.7%と最も高く、次いで「Enterprise」(29.6%)となった。中小企業ではBusiness Standard以下、大企業ではEnterpriseに回答が集まった(図3)。

図3 勤務先で契約している「Google Workspace」のプラン

 なお、プランの差で見ると、Business Starter/Standard/Plusは最大利用ユーザー数が300人までで、Enterpriseは「DLP」(data loss protection:データ損失防止)や監査ログなどのセキュリティ機能が付帯される。

 後編では、Microsoft 365とGoogle Workspaceの満足度とその理由、主に利用する機能やツールなど、ユーザーが感じる使い勝手や使い方に触れていく。

 全回答者数441人のうち情報システム部門が36.7%、製造・生産部門が17.2%、営業/営業企画・販売/販売促進部門が15.4%、経営者・経営部門が6.8%などと続く内訳であった。

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