キーマンズネット会員381人を対象にアンケート調査を実施した。ファイルサーバに対する課題や不満点など利用実態が明らかになった。
キーマンズネットでは、2016年11月21〜30日にかけて「企業におけるファイルサーバの利用状況」に関するアンケートを実施した(有効回答数381件)。
回答者の顔ぶれは、企業規模別では、従業員数が1000人を超える大企業が39.9%、101〜1000人以下の中堅企業が37.8%、100人以下の中・小企業が22.2%だった。業種別では、IT製品関連業が44.1%、IT関連外の製造業が31.4%、流通・サービス業全般が15.1%、公共機関を含むその他の業種が9.5%という構成比だった。
後編では、より具体的に「ファイルサーバに対する不満(課題)」「ファイルサーバのリプレースや見直しの実施状況」「ファイルサーバ代替サービスの検討状況」などについて明らかにしていく。
なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があることをあらかじめご了承いただきたい。
前編では、回答者のほとんどが業務でファイルサーバを利用しているにもかかわらず、大きな不満や特段のこだわりもなさそうで、現状維持ムードが強いことが分かった。
そこでまず、ファイルサーバを利用しているとした回答者(n=323)に「現在利用しているファイルサーバにどのような不満(課題)があるか(複数回答)」を聞いたところ、277人が何らかの不満(課題)を選択した。
その内訳は、多い順に「容量が足りない(52.0%)」「持ち主不明のファイルを管理できない(45.1%)」「社内からしかアクセスができない(34.7%)」「組織改編に追従したディレクトリ管理が煩雑(30.0%)」となった(図1)。
第1位の「容量」に関する不満(課題)の詳細をフリーコメントから拾ってみると、「フォルダごとの容量制限」「ユーザー単位の容量制限がある」などに原因があるようだ。
第2位の「持ち主不明のファイルを管理できない」は、誰しもが実感しやすい点だ。多くの企業で、「更新されている記録はないが、削除していいかどうか判断できない」「作成者が退職してしまい、現時点で所有者(管理者)が分からない」といったファイルが多数存在していることが容易に想像できる。
こうしたファイルは増える一方であることが多く、増えれば増えるだけ、第1位の「容量が足りない」状況を悪化させることにもなり、かなり厄介な問題だ。実際、フリーコメントの中には「ファイルが重複している」「同じファイルが複数箇所に点在しているが、現実的には整理ができず増えていく一方で減ることはない」というコメントが見られた。
また、その他の具体的な回答として、「柔軟なアクセス権が設定できない」「権限設定を行うと管理しきれない」「複数人で共有できない」「レスポンスが遅いときがある」「アップロード、ダウンロードが遅い」「アクセスが集中すると共有ファイルが開けなくなる」「検索性が悪い」といった不便さを指摘する声が挙がっている。
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