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最新規格「IEEE 802.11ax」がやってきた、最新無線LAN事情IT導入完全ガイド(2/5 ページ)

» 2017年02月20日 10時00分 公開
[酒井洋和てんとまる社]

最新規格「802.11ac Wave2」の特長

 現在最新のチップセットとして規格化されているのが802.11ac Wave2だが、従来のWave1との違いは大きく2つ挙げられる。それが周波数を束ねるチャネルボンディング幅の拡大とMU-MIMO(Multi User-Multi input Multi Output)への対応だ。

 チャネルボンディングは、周波数を複数束ねることで1度に大容量データが送信できる技術で、IEEE 802.11nから採用されている。最初のIEEE 802.11nでは40MHzに束ねることが可能だったが、802.11ac Wave1では80MHzに、そして802.11ac Wave2では160MHzおよび80+80MHz幅に拡張されている。

 新たな規格が登場するたびに倍の帯域が束ねられることで一層の高速化を実現している。ただし、最大160MHz幅に束ねることが理論上可能ではあるものの、その場合使えるチャネルは2つしかなく、通信エリアとしてのセル設計が非常に困難になる。チャネル数を効果的に利用するためには、結果として20〜40MHz幅での運用が現実的だろう。

 また、802.11ac Wave2で新たに実装された技術がMU-MIMOだ。MIMO自体はIEEE 802.11nから採用された技術だが、これまではSU-MIMO(Single User-MIMO)であり、APと端末は1対1の関係。MU-MIMOになると、1台のAPに対して最大4台と同時に通信が可能になる。

 なお、IEEE 802.11ac標準規格ではアンテナは最大8台まで拡張できるものの、同時接続は最大4台までとなっている。ちなみに、APと通信するクライアント側でもMU-MIMO対応、つまり複数のストリームに対応できる製品が必要になる。

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