セルフサービスBIはどんな場面で活躍するのだろうか? Excelでは見えにくかった答えを見つけることも。想定されるシーンを例にメリットを紹介する。
ビジネスの意思決定に役立つように、自分でデータを「可視化」できるツールが「セルフサービスBI」です。豊富で強力な機能であるデータ分析機能を使って、専門家のサポートなしに、さまざまなデータを視覚化でき、ビジネスの意思決定に役立つ情報を素早く得ることができます。
今回は、セルフサービスBIがどのような課題を解決できるのか、またどのようにビジネスに生かせるのかを説明していきます。
セルフサービスBIツールでは、データを使って仮説検証しながら分析を行えるのが大きな特徴の1つです。具体的にどのようなことなのか説明します。
例えば会議の資料として、2017年度と2016年度の売り上げを比較したグラフを配布し説明したところ、会議の出席者から「過去5年分の売り上げはどうなっているのか?」と聞かれたとします。発表中の資料(グラフ)をExcelで作っていた場合は、自分のデスクに戻り過去の売り上げデータを社内システムから取り込み、グラフを作り直さなくてはいけません。
しかし、もしセルフサービスBIを使っていた場合は、セルフサービスBI上でデータの集計期間を5年間と設定を変更すれば、社内のシステムから過去5年分の売り上げデータを取り出し、比較のグラフを自動生成し、その場で発言者に示すことができます。もちろん、データさえあれば商品別や、カテゴリー別の売り上げグラフなども自由自在に作れます。
別の例も見てみましょう。売り上げ分析をしていたときに、ある日を境に売り上げが少しずつ伸びている商品があることを発見しました。プロモーションをしたなどといった特別な理由があるわけではなかったのでセルフサービスBIで自社サイトの検索数と売り上げの推移を掛け合わせて調べてみると、関連性が高いことが分かりました。インターネット上で話題になったことが売り上げ拡大のきっかけとなったようです。
その後、その会社では検索キーワードと自社商品の関連性を生産調整に活用するようになりました。
このように、Excelで作ったグラフではなかなか見えなかった、もしくは可視化までに工数がかかっていた情報も、セルフサービスBIを使うことであっという間に把握できるようになります。また、動的にグラフを作ることや、一見、直接は関係なさそうな複数データを組み合わせることにより、新たな情報や発見が見えてくるようになるのです。
特に可視化において、セルフサービスBIツールはその力を発揮します。Excelで、凝ったグラフを作るのに苦労した経験をお持ちの人も多いと思います。セルフサービスBIならExcelより多彩で豊かな表現力のグラフを、より簡単に、素早く作ることができます。
また、データをフィルタリングしたり、絞り込んで視覚化することもすぐできます。新たなデータを加えて新たなグラフを作り出したり、ダッシュボードに別の要素のグラフを並べて、視覚的に比較・検討することも簡単にできます。
体感してみると分かりますが、データを可視化することによるデータの比較・検討は想像以上に効果的であり、異なるデータの相関性を見つけ出すことが非常に容易になります。まさに、さまざまなデータを使いながら、その向こうにある答えを「探索」していく、多様な観点でデータを分析することが簡単にできるのがセルフサービスBIなのです。
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