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ラックの基本とデータセンター選び、5つの視点IT導入完全ガイド(4/4 ページ)

» 2017年05月15日 10時00分 公開
[酒井洋和てんとまる社]
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サーバとネットワーク機器を混載しない

 データセンター内部でインフラの集積度が高まり、物理的な環境もデータ量も以前に比べて圧倒的に増えている今、特に重視されてきているのが物理的な配線に関連した運用コストだ。実際には、サーバとネットワーク機器では運用が物理的に異なっており、より高密度な実装が求められるサーバの場合は一度設置するとケーブルの抜き差しの機会は少なく、障害時の範囲もサーバ単位と影響範囲は限定的だ。

 しかしネットワーク機器の場合は、トラブルによるシステム全体への影響が大きく、必要に応じてケーブルの抜き差しを安全に行いやすくしておくことが必要になる。つまりは、運用自体をしっかり分ける意味でも、サーバ系のラックとネットワーク系のラックは同一ラック内に混載しない方が賢い選択といえる。

サーバラックは奥行き、ネットワークラックは横幅が大切

 大前提として、サーバは一般的に背面に通信ケーブルや電源ケーブルが集中しているのに対して、ネットワーク機器やパッチパネルは前面にケーブルが集中することになる。まずはこの違いを理解しておこう。

 その違いを前提にサーバラックを考えると、機器排熱を損なうことなくケーブルの処理が必要になり、前後(主には背面となる後ろ)の方向で整理してあげる方が効率的といえる。通信ケーブルと電源ケーブルを双方分けておくことで、メンテナンスも行いやすくなる。つまり、サーバラックは横幅よりも奥行の広がりが必要になる。

 対してネットワークラックは、大量のケーブルを適切に処理し、抜き差し時の事故を低減するような構造が求められる。そこで、フロント側には作業のためのスペースを十分確保し、長くなりがちなネットワークケーブルもうまく収納できるようにする必要がある。そのためには、余長のケーブルを両サイドに振り分けて整理できるよう、横のスペースがあった方が便利だろう。つまり、ネットワークラックは奥行よりも横幅が十分確保できている方がいいはずだ。

 もちろんコストは考慮する必要があるが、用途に応じてラックの種類を選択した方が運用の負担は軽減できるだろう。

図2 ラックのケーブリング例 図2 ラックのケーブリング例 奥行でケーリングするサーバラック(左)と横幅でケーブリングするネットワークラック(右)
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